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笹川日仏財団がお届けするプログラム「フレンチ・クラシック・カフェ」。フランス音楽の素敵なところをちょっと変わった切り口でご紹介します。ご案内役は軽妙なトークで定評のある指揮者の中田昌樹さんです。 《中田昌樹プロフィール》 1951年札幌生まれ。道立札幌西高校卒業。国立音楽大学器楽学科卒業後、フランスに留学。パリ・エコール・ノルマル音楽院指揮科を一等賞首席にて卒業。アメリカ・タングルウッドで小澤征爾、バーンスタインの教えを受ける。 パリ・コンセール・パドゥルー管弦楽団を指揮してヨーロッパデュー、その後、フランス国立リヨン管弦楽団で音楽監督セルジュ・ボドのアシスタントを務める。ベルリン放送交響楽団、ブルガリア国立ソフィア室内管弦楽団などヨーロッパ各地で指揮。 帰国後、新国立劇場開場当初からオペラ制作に携わり、オペラ研修所特任講師も務める。 吹奏楽の分野では、吹奏楽コンクール全国大会/支部大会/県大会の審査、各地の指揮講習会の講師を長年に渡って担当。 札幌大学文化学部 客員教授、新国立劇場オペラ制作部 専門員、新国立劇場オペラ研修所特任講師 、Institut Francais du Kyushu (九州日仏会館) 『フランス音楽の陰影』レクチャー講師 等を歴任。
- 172 - #171 美声の作曲家アーン『春』『リラの茂みのナイチンゲール』
レイナルド・アーンは、外交官であるユダヤ系ドイツ人の父とバスク人の母との間に13番目の子供として、ベネズエラの首都カラカスで生まれました。3歳の時にフランスに移住し、11歳でフランス国立パリ音楽院に入学。13歳で有名な『私の詩に翼があったなら』を書いたほどの早熟の天才でした。
師匠のジュール・マスネのおかげで、パリのサロンで演奏する機会を得て、自らの曲を自らの美声で披露。生涯のパートナーとなる作家のマルセル・プルーストともそこで出会ったようです。
今回は、パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんがフランスのレーベルArties'sから2016年に発表したアルバム『Estampes』より、アーンの歌曲2曲を届けします。
中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】レイナルド・アーン作曲 『春』『リラの茂みのナイチンゲール』
安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 08 Nov 2024 - 17min - 171 - #170 紆余曲折を経てヒット、マスネの歌劇『ウェルテル』
ジュール・マスネの3回目となる今回は、歌劇『ウェルテル』を取り上げます。
原作はゲーテの『若きウェルテルの悩み』(1774年)で、当時ドイツの革新的文学運動「疾風怒濤」の代表作として知られますが、これに呼応するかのようなドラマティックな曲が『ウェルテル』にもみられます。
「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」は、ゲーテも愛読していたオシアンの詩に託して、片想いの相手のシャルロットにウェルテルが自分の気持ちを吐露する歌で、とても情熱的な曲です。
最後にウェルテルがピストル自殺を遂げてしまうこの『ウェルテル』は、家族向けの舞台を志向していたパリ・オペラ・コミック座での初演を拒否されましたが、ウィーン宮廷歌劇場がマスネの『マノン』の成功を聞きつけ、ドイツ語翻訳版で1892年にウィーンで初演。翌年パリ・オペラ座でフランス語版が上演、1903年の再演後に聴衆の心を掴み、1960年代までに1300回以上も上演されるヒット作となりました。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 『ウェルテル』より第3幕「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」
ジャン=クロード・カサドシュ/指揮 マルクス・ハドック /テノール リール国立管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 01 Nov 2024 - 15min - 170 - #169 甘美でドラマチックなマスネ『タイスの瞑想曲』
今週も続けてジュール・マスネの楽曲をお届けします。
マスネは多作の作曲家で、未発表、未完のものも含め39曲のオペラ、オペラ・コミック作品を書いたと言われています。その中でも、もっとも有名なオペラ『タイス』の第ニ幕への間奏曲がこの『瞑想曲』です。
甘美なメロディの中に劇的な効果が感じ取れるのは、巧みな転調のおかげでしょうか。倚音(いおん)という装飾的な音を巧みに低音に使用することで、マスネの特徴的な音の広がりが生まれます。
そのほか、指揮者の始まりとなったと言われる、ルイ14世時代の宮廷楽長リュリについてのエピソードにも触れられています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 『タイスの瞑想曲』
ジョルジ・シェルメツィ/指揮 ヤーノシュ・シェルメツィ/ヴァイオリン カメラータ・トランシルヴァニカ/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 25 Oct 2024 - 19min - 169 - #168 安心して整う、マスネ『絵のような風景』
ジュール・マスネ作曲『絵のような風景』の4回目、第1曲の行進曲をお届けします。
マスネといえば、オペラの作曲家という印象が強いですが、初期のうちに作曲した管弦楽曲の旋律は、歌詞をつけるとそのままオペラのアリアに出来るような華麗なものです。
11歳でパリ高等音楽院に入学し、サン=サーンスやマスネの教えを受けたからでしょうか、和声や対位法をしっかり身につけていて、独特の安定感がある一方、曲の風景を一瞬にして変える技法も持ち合わせています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 組曲第4番『絵のような風景』第1曲 行進曲
ジャン=イヴ・オッソンス/指揮 ニュージーランド交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 18 Oct 2024 - 15min - 168 - #167 どこまでも軽やかなマスネ『絵のような風景』
ジュール・マスネ作曲『絵のような風景』の3回目です。
この組曲の第2曲目はどこまでも軽やかです。「舞踏曲」とありますが、バレエというよりは無言劇を彷彿とさせるようなサウンドです。
スコアにトライアングルの「ソロ」とわざわざ書いてあるのは、ソリストとしての「やる気」を引き出すためなのでしょうか…。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 組曲第4番『絵のような風景』第2曲 舞曲
ジャン=イヴ・オッソンス/指揮 ニュージーランド交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 11 Oct 2024 - 22min - 167 - #166 多彩な表現力、マスネ『絵のような風景』
ジュール・マスネ作曲『絵のような風景』の2回目です。
カミーユ・サン=サーンスの意向が働いたかどうかは定かではありませんが、マスネはそのキャリアの初めは多くの管弦楽曲を書きました。組曲もその一つで全部で7作品を発表しています。
4番目に書かれた組曲『絵のような風景』の第3番は「お告げの鐘」(Angelus)と副題がついているように、キリスト受難の秘技を知らせるためエンジェルが出現することを鐘によって告げる場面を描いています。
ここでは、ホルンの硬質な音とユニゾンで演奏される弦楽器の音色の組み合わせが絶妙なサウンドを奏でます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 組曲第4番『絵のような風景』第3曲 お告げの鐘
、ジャン=イヴ・オッソンス/指揮 ニュージーランド交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 04 Oct 2024 - 15min - 166 - #165 知られざる才能の持ち主、マスネ『絵のような風景』
今週から4回にわたってジュール・マスネ作曲『絵のような風景』をお届けします。
当時のフランス音楽界の大物、カミーユ・サン=サーンスの眼鏡にかなうほどの才能の持ち主、マスネ。11歳でパリ音楽院に入学し、20歳でローマ大賞を受賞、36歳でパリ音楽院の作曲家の教授に就任という輝かしいキャリアを持っています。
未完のものも含めオペラも27曲書いたほどの多作家でしたが、最初はやはり管弦楽を多く著しました。組曲も7作品を作曲していて、『絵のような風景』はそのうちの4曲目にあたります。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 組曲第4番「絵のような風景」第4曲 ジプシーの祭り
、ジャン=イヴ・オッソンス/指揮 ニュージーランド交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 27 Sep 2024 - 15min - 165 - #164 小澤征爾氏追想(4)ベルリオーズ『幻想交響曲』
小澤征爾氏を偲ぶ回の最終回です。
小澤征爾さんの『ボクの音楽武者旅行』に登場するマエストロの人生にとってのキーパーソンの一人、萩元晴彦さんのプロデュースの元、もう一人のキーパーソンである田中路子さんにオマージュを贈る演奏会がサントリーホールのオープニングシリーズの一つとして企画されました。
田中路子さんが大賀典雄・若杉弘・小澤征爾といった才能ある音楽家たちを育てサポートしてきたからこそ、いまの日本のクラシック音楽がある、と萩元さんはお考えになったからだそうです。田中路子さんにお世話になった最後の世代ということで中田昌樹さんに白羽の矢が立ち、この演奏会のタクトを振ることになりました。
また田中路子さんのご紹介で、当時ウィーン歌劇場の事務局長だったエゴン・ゼーフェルナーの知己を得た経緯、彼の『ウィーン -わが都-ウィーン音楽界回想録』に書かれていた「まずは音楽、お次に台詞」にまつわるエピソードも語られます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトル・ベルリオーズ作曲『幻想交響曲』第五楽章
レナード・スラットキン/指揮 フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 20 Sep 2024 - 19min - 164 - #163 小澤征爾氏追想(3)ベルリオーズ『ラコッツィ行進曲』
小澤征爾氏を偲ぶ回の第3弾です。
若き日にマエストロ・オザワの『ボクの音楽武者旅行』を読み、大いに憧憬心と冒険心を掻き立てられた中田昌樹さんですが、後日本人から直接聞いたエピソードを加えながら本に書かれている内容を紹介します。
小澤征爾さんにとって3人のキーパーソン、 田中路子さん、萩元晴彦さん、森保淳さんとの興味深い逸話も披露されます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトル・ベルリオーズ作曲『ファウストの劫罰』より「ラコッツィ行進曲」
ジャン=クロード・カサドシュ/指揮 リール国立管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 13 Sep 2024 - 29min - 163 - #162 小澤征爾氏追想(2)ドビュッシー『夜想曲』
今回も小澤征爾さんを偲んだ番組をお届けします。
クロード・ドビュッシーの『夜想曲』は「雲」「祭」「シレーヌ」から成る作品です。「シレーヌ」は歌詞のない女性合唱が入ることもあり、演奏会では「雲」と「祭」の2曲のみ上演されることも結構あります。
「シレーヌ」の合唱をどこに置くかはこの曲の一つの見どころですが、マエストロ・オザワが採った斬新な方法は中田昌樹さんの印象に強く残ったようです。
また、クラウディオ・アバドが7歳のときに演奏会で聴いた「祭」がきっかけで、指揮者になることを決意したエピソードも語られます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『夜想曲』より「祭」
準・メルクル/指揮 フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 06 Sep 2024 - 14min - 162 - #161 小澤征爾氏追想(1)ドビュッシー『牧神の午後への前奏曲』
2024年2月6日、88歳で逝去された小澤征爾さんが9月1日生まれであることから、9月はこの世界的マエストロを偲ぶ月間として、パーソナリティの中田昌樹さんが小澤征爾さんから直接示唆を受けた曲、あるいはマエストロが得意としていたフランスの作品をお届けします。
中田さんは日本に一時帰国した際、小澤征爾さんとの知遇を得て、パリ・オペラ座で舞台稽古のアシスタントを務める機会に恵まれ、その後アメリカ・タングルウッドで勉強することになります。そこで課題曲として振ったクロード・ドビュッシーの『牧神の午後への前奏曲』に、マエストロ・オザワがコメントします。果たしてその内容は如何に。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『牧神の午後への前奏曲』
中田昌樹/指揮 エルムの鐘交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 30 Aug 2024 - 46min - 161 - #160 指揮者ケント・ナガノの語るメシアン『トゥーランガリラ交響曲』
現代フランス音楽の巨匠、オリビエ・メシアンの第2回は、彼の代表作でオーケストラの規模も大きい『トゥーランガリラ』をお届けします。
この作品はメシアンの作曲哲学が最も集約されているといってもよい作品で、人生の夢や愛、厳しさ等いろいろな要素を見出すことができます。
熊本にルーツを持つ日系三世の指揮者ケント・ナガノは、長年来の友人である中田昌樹さんとのインタビューの中で、小澤征爾指揮のメシアンのオペラ『アッシジの聖フランシス』を準備するため、メシアンに招かれ1年間彼のパリの家で起居したとのエピソードを披露してくれました。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】オリビエ・メシアン作曲『トゥーランガリラ交響曲』第10楽章「終曲」
アントニ・ヴィト/指揮 トマ・ブロシュ/オンド・マルトノ フランソワ・ヴァイゲル/ピアノ ポーランド国立放送交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 23 Aug 2024 - 30min - 160 - #159 指揮者ケント・ナガノの語るメシアン『ミのための詩』
今週と来週の2回にわたって、現代フランス音楽の巨匠、オリビエ・メシアンの曲をご紹介します。
ポール・デュカスは、一度作曲を断念しましたが、その後、パリ音楽院の作曲教授となり、早熟なメシアンの才能に注目します。デュカスの助言のもと、メシアンは自然の音、特に鳥の声に音楽的な要素を見出し、取り入れた作品を多く残しています。
日系3世のアメリカ人指揮者ケント・ナガノは、パーソナリティの中田昌樹さんの古くからの友人で、彼のルーツである熊本での公演で来日の際、メシアンとの交流について語ってくれました。メシアン自身が最大の理解者と称し、多くの作品を拡めているケントが、まず聞くべき作品として推薦したのが『ミのための詩』。今回はその中から「家」と「君の声」をお届けします。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】オリビエ・メシアン作曲『ミのための詩』
第1巻第3番「家」第2巻第6番「君の声」
エトナ・レジツェ・ブルーン/ソプラノ、クリストファー・ニーホルム・ヒルディグ/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 16 Aug 2024 - 14min - 159 - #158 不老不死の花を探すペルシャ王と妖精ペリの物語、デュカス『ラ・ペリ』
ポール・デュカスの代表作『ラ・ペリ』の第2回です。
『ラ・ペリ』は、ペルシャの王イスカンダル(仏語はイスカンデル)が不老不死の花を探し、妖精ペリと出会う物語。ついに王様はエメラルド色の花を発見し、ペリから花を奪おうとすると、花が突然紫色に変わります。このバレエはシンプルな物語ですが、音楽が非常に緻密に作られています。
ポール・デュカスは多くの曲を書きましたが、厳しい自己評価から多くの作品を焼却し、現存するのはわずかです。その中で「ラ・ペリ」は、偶然にも友人のおかげで焼却を免れたと言われています。
彼は優れた作曲家であり、教え子にはオリビエ・メシアンがいます。メシアンに鳥の声を聞くよう助言したのもデュカスだとされていて、その後、メシアンの作品には鳥のさえずりが多く取り入れられました。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ポール・デュカス作曲『ラ・ペリ』
ジャン=クロード・カサドシュ/指揮、リール国立管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 09 Aug 2024 - 08min - 158 - #157 革新的な繊細さが特徴のデュカス『ラ・ペリ』
今週もまたポール・デュカスの作品から、代表作『ラ・ペリ』をご紹介します。
この作品はロシア・バレエ団からの依頼により1912年に書かれた一幕物のバレエ音楽です。数年後、デュカスは演奏会用の前奏曲として、ファンファーレを追加しました。ファンファーレの独特の和声構造は、当時としては非常に斬新なものでした。実は札幌オリンピックのファンファーレにも、このデュカスのファンファーレと類似した特徴が見られます。『ラ・ペリ』は、メロディの優しさと対照的に、伴奏パートの非常に細かい動きが特徴的です。革新的な複雑さを持つこの曲は演奏が非常に難しいのですが、パーソナリティの中田昌樹さんの師匠であるピエール・デルヴォーは非常に好んで演奏していたそうです。
『ラ・ペリ』は、ペルシャの王イスカンダル(仏語はイスカンデル)が不老不死の花を探し求める物語。王はペルシャ全土を3年間にわたって放浪し、ついに神殿で妖精のペリが摘んでいるエメラルド色の花を発見しますが…。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ポール・デュカス作曲『ラ・ペリ』前奏曲ファンファーレ、『ラ・ペリ』
ジャン=クロード・カサドシュ/指揮、リール国立管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 02 Aug 2024 - 12min - 157 - #156 『ファンタジア』でお馴染みのデュカス『魔法使いの弟子』
前回に続いてポール・デュカスの作品から、1897年に作曲された『魔法使いの弟子』をお送りします。
1940年公開のウォルト・ディズニー『ファンタジア』で使われ、ミッキー・マウスが弟子の役を務めたことで、世界中に知られるようになりました。
曲は、魔法使いの師匠が留守の間に、弟子が呪文を使って箒を動かし、タライにバケツで水を入れますが、魔法を制御できず困り果て…、と展開していきます。
ゲーテの同名のバラードの仏訳を原典として作曲されたこの曲は、スケルツォ形式で書かれ、1897年年5月18日、パリの国立音楽協会の演奏会で初演されました。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ポール・デュカス作曲交響詩『魔法使いの弟子』
ジャン=リュック・タンゴー/指揮、アイルランド国立交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 26 Jul 2024 - 11min - 156 - #155 溌剌としたデュカス『交響曲ハ長調』第3楽章
2回続けてお届けしてきたポール・デュカスの『交響曲ハ長調』の最終楽章です。
この楽章は4分の3拍子と8分の9拍子の混合拍子で書かれているため、とても躍動する感じが伝わってきます。細かい動きの音符が多かった他の楽章に比べ、ここでは楽譜が端正な姿となり、音楽の推進力が感じられます。この手法は今までのフランス人作曲家とは少し異なっています。
またシンフォニーとしては珍しいピッコロ・トランペットが使われていて、鋭い響きを奏でています。デュカスにとっては、これが鳥の激しい鳴き声の表現だったのかもしれません。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ポール・デュカス作曲『交響曲ハ長調』第3楽章
ジャン=リュック・タンゴー/指揮、アイルランド国立交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 19 Jul 2024 - 08min - 155 - #154 今までにない手法で書かれたデュカス『交響曲ハ長調』第2楽章
今週も続けてポール・デュカスの『交響曲ハ長調』を聴きます。
フランクやダンディの交響曲が循環形式で書かれているのに対し、デュカスのこの交響曲はそれぞれの楽章が独立していて別の音楽として成立しています。
第1楽章は爽快なサウンドでしたが、音を抑えに抑えた静かな冒頭で始まるこの第2楽章は、音の細かい扱い方が特徴的で、今までにない手法で書かれています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ポール・デュカス作曲『交響曲ハ長調』第2楽章
ジャン=リュック・タンゴー/指揮、アイルランド国立交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 12 Jul 2024 - 14min - 154 - #153 いろいろな作曲家の断片が味わえるデュカス『交響曲ハ長調』第1楽章
今日まで残されているのは20曲ほどしかない寡作の作曲家、ポール・デュカスの『交響曲ハ長調』を聴きます。
始まりは快活だけれども暗い和音があり、ダンディをはじめいろいろな作曲家の作品の断片が次第にちらちらと聴こえてくるような曲です。
当時パリのサロンでは「◯◯(作曲家の名前)風に」と、その作曲家の作風を意識して演奏することが知的遊びとして流行っていたようで、その影響かもしれません。
番組後半では、中田先生がフランスに興味を持ち、フルートを始めたきっかけとなった加藤恕彦さんについての思い出が語られます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ポール・デュカス作曲『交響曲ハ長調』第1楽章
ジャン=リュック・タンゴー/指揮、アイルランド国立交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 05 Jul 2024 - 23min - 153 - #152 洒落た台本、闊達な音楽、そして最後に優しさを感じるラヴェル『子どもと魔法』
モーリス・ラヴェルのオペラ『子供と魔法』の最終回です。
やんちゃをした男の子にモノの逆襲は続きます。算数の教科書から不思議な老人が現れ、闊達な音楽にのって、蛇口から出る水や電車の発車時間を言い立てたり、呪いの言葉のように4 x 4 = 18など間違った計算して男の子を困らせます。
動物たちも彼に襲いかかります。やがて男の子のそばに怪我をした小さなリスが転がり落ちてきます。すかさずキズの手当てをした男の子。それを見ていた動物たちは「ママ!」と叫んでお母さんを呼び、「彼はいい子だよ、賢いよ、とても優しい...」と歌いながら、オペラは穏やかに終わります。そこにラヴェルの優しさが感じられます。
番組後半では、ラヴェルの唯一の高弟で、ラヴェルの評伝を書いた指揮者のマニュエル・ロゼンタールと彼に師事したジェローム・カルテンバックとの交流も語られます。
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【演奏】モーリス・ラヴェル作曲歌劇『子供と魔法』より
"Deux robinets coulent dans un reservoir!"/ 二つの蛇口からひとつのタライに水が流れ込む! (小さなおじいさん、子供、数字たち)
"Il est bon, l'enfant, il est sage"/ いい子だよ、この子は(動物たち、子供)
レナード・スラットキン/指揮、エレーヌ・エブラー/ソプラノ、デルフィーヌ・ガルー/コントラルト、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 28 Jun 2024 - 16min - 152 - #151 やんちゃ坊主の幻はまだ続く、ラヴェル『子供と魔法』
モーリス・ラヴェルのオペラ『子供と魔法』の3回目です。
やんちゃをした男の子の幻はまだ続きます。夜が訪れ、暖炉に近づくと、暖炉の火が男の子を脅し文句を放ったかと思うと火は消え、男の子は一人真っ暗闇の中に残されてしまいます。
かと思うと、今度は男の子と遊びにオス猫が登場。でもすぐに庭に出てメス猫とデュエットを奏でます。
番組後半では、オランダ人指揮者のユベール・スダーンや『仔象のババール』にまつわるエピソードも披露されます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲歌劇『子供と魔法』より
"Arriere ! Je rechauffe les bons"/ おさがり、私は良い子はあたためる(火、子供)
"Duo miaule"/ ネコの二重唱(黒猫、白猫)
レナード・スラットキン/指揮、エレーヌ・エブラー/ソプラノ、デルフィーヌ・ガルー/コントラルト、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 21 Jun 2024 - 10min - 151 - #150 仕返しされるやんちゃ坊主!ラヴェル『子供と魔法』
今週もモーリス・ラヴェルのオペラ『子供と魔法』をお届けします。
お母さんに叱られ家の中であばれて悪さをした男の子が、今度は逆に家具や調度品などから仕返しをされます。
踊りながら出てくる中国製のティーポットや英国製のティーカップは、東洋っぽい意味不明の言葉をいくつか発します。その中の「セッシュウハヤカワ」は早川雪洲のことで、当時欧米で大成功を収めた日本の俳優です。
言葉の羅列で音の面白さが堪能できる場面ですが、とても高い音域のトロンボーンは、後の『ボレロ』にも活かされたのではないかと思われます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲歌劇『子供と魔法』より
"Ding, ding, ding, ding"/ ディン ディン ディン ディン(時計、子供)
"How's your mug?"/ マグはいかが?(ティーポット、中国製のカップ)
"Keng-ça-fou, mah-jong" / ケン-サ-フォウ マー-ジョン(中国製のカップ、ティーポット)
レナード・スラットキン/指揮、エレーヌ・エブラー/ソプラノ、デルフィーヌ・ガルー/コントラルト、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 14 Jun 2024 - 11min - 150 - #149 やんちゃ坊主が主役!ラヴェル『子供と魔法』
当時売れっ子作家だったコレットの台本にモーリス・ラヴェルが曲をつけたオペラ『子供と魔法』をお届けします。
舞台はノルマンディ地方の何もかもが古びた家の中。6歳ぐらいの男の子が宿題をやりなさいとお母さんに叱られ、逆に捻くれて家の中のものを壊したり、猫のしっぽをつかんだりして悪さをし放題。そんな情景から始まります。
毎小節のように頻繁に変化する拍子と、五度/四度音程のオーボエと、コントラバスのとても高いポジションでのハーモニックス奏法で始まる冒頭は、所在のない中にも不思議な風が通り抜けるような感覚が味わえるかもしれません。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲歌劇『子供と魔法』より
"J'ai pas envie de faire ma page!" / ぼく 勉強したくないよ(子供)
"Bébé a été sage?" / 坊や おりこうにしてた?(ママ)
"Ça m'est égal!" / 気にするもんか(子供)
レナード・スラットキン/指揮、エレーヌ・エブラー/ソプラノ、デルフィーヌ・ガルー/コントラルト、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 07 Jun 2024 - 15min - 149 - #148 御伽話と空想の世界を描いたラヴェル『マ・メール・ロワ』
前回に続いてモーリス・ラヴェル作曲『マ・メール・ロワ』をお届けします。
『ラ・ヴァルス』や『高雅で感傷的なワルツ』と同様、拍子がはっきりとはわからないように、楽器や和声、音程の使い方を工夫しながら、拍子の輪郭を歪めたり、角を丸くしたりするような書法で作曲されています。そのため、空気がふわっと動くような浮遊感を感じられる印象の曲となっています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『マ・メール・ロワ』
第2曲 親指小僧
第5曲 妖精の園
指揮/ケネス・ジーン 演奏/スロヴァキア放送交響楽団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 31 May 2024 - 14min - 148 - #147 シンプルが故にデリケートなラヴェル『マ・メール・ロワ』
シャルル・ペローが民間伝承を詩の形でまとめた昔話を題材に、モーリス・ラヴェルが作曲した『マ・メール・ロワ』をお届けします。
もともとゴデブスキ夫妻の二人の子供たちのためにかかれたのはピアノの連弾曲ですが、今回はラヴェル本人が管弦楽組曲にアレンジした版をご紹介します。
番組後半では、この曲にまつわるキリル・コンドラシンとの思い出も語られます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『マ・メール・ロワ』
第1曲 眠れる森の美女のパヴァーヌ
第3曲 パゴダの女王レドロネット
指揮/ケネス・ジーン 演奏/スロヴァキア放送交響楽団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 24 May 2024 - 16min - 147 - #146 シューベルトへのオマージュ、ラヴェル『高雅で感傷的なワルツ』
7つのワルツとエピローグからなり、それぞれ異なる表情が味わえる作品です。1911年、独立音楽協会が趣向を凝らしたサル・ガヴォーでのコンサートで初演されました。
シューベルトの天才的な転調からインスピレーションを得て、ラヴェルのこの曲もまた、輪郭が浮遊するような独特の調性感で書かれています。この系譜はオリヴィエ・メシアンにも繋がっていきます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『高雅で感傷的なワルツ』より 第1番 中庸の速さで・第3番 中庸の速さで・第7番 いくらか活発に
指揮/Leonard Slatkin 演奏/Lyon National Orchestra, (指揮)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 17 May 2024 - 15min - 146 - #145 芳醇かつ流麗なピアノの響きを追求したラヴェル『ラ・ヴァルス』
前回に続いて、ラヴェルの『ラ・ヴァルス』をお届けします。
今回は色彩感豊かなオーケストラ・バージョンとは違った、いわば同じ色合いで濃淡をくっきりと浮かび上げるピアノならではのサウンドをお楽しみいただきたいと思います。
番組後半では、吉田秀和氏が朝日新聞に長年執筆していた「音楽展望」という記事に触れ、ラヴェルの人間像を物語る3つのエピソードが披露されます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ラ・ヴァルス』 指揮/中田昌樹 演奏/エルムの鐘交響楽団(管弦楽版)、今岡美保・望月美希(2台ピアノ版)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 10 May 2024 - 31min - 145 - #144 渦巻く雲の中に浮かぶワルツを踊る男女の姿、ラヴェル『ラ・ヴァルス』
2週にわたって、モーリス・ラヴェルの『ラ・ヴァルス』をお届けします。
ワルツはフランス語だとヴァルス。はじめピアノ・ソロのために書かれた曲ですが、後にラヴェル自身がピアノ・デュオとオーケストラのために編曲しました。今回はピアノ・デュオ版とオーケストラ版を聴きましょう。
単色の墨絵のような情景から、多色の錦絵の世界へと変化する様が如実に現れ、それぞれの良さをうまく生かした作品が味わえるのではないでしょうか。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ラ・ヴァルス』 指揮/中田昌樹 演奏/エルムの鐘交響楽団(管弦楽版)、今岡美保・望月美希(2台ピアノ版)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 03 May 2024 - 26min - 144 - #143 エロール『ザンパ』再び!
#39でもご紹介したフェルディナン・エロールの『ザンパ』を再びお届けします。
オッフェンバックの作品とも共通して賑々しく軽快な曲想ではありながら、エロールの作品にはパリ・オペラ座やパリ・オペラ・コミック座で演奏される事を念頭にして、より理路整然とした、構築性があるように思われます。
これは、エロールが名誉あるローマ大賞を得て、ローマにだけでなく、ウィーンなどなどの異文化に触れたことも影響しているでしょうか...。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フェルディナン・エロール作曲『ザンパ』序曲 指揮/中田昌樹 演奏/関西学院交響楽団
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 26 Apr 2024 - 23min - 143 - #142 賑々しいだけではないオッフェンバック『天国と地獄]序曲
前々回お届けしたオッフェンバックの『天国と地獄』は賑々しいだけの曲ではありません。抒情的でメロディアスな部分があってこその絶妙なバランスで成り立っている名曲です。
番組後半では、ムーラン・ルージュと並んでパリのキャバレー文化を代表するミュージックホール、クレイジーホースにまつわる貴重な体験談がお聞きいただけます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジャック・オッフェンバック作曲喜歌劇『天国と地獄』序曲
Martin Sieghart/指揮 CSR Symphony Orchestra, Bratislava/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 19 Apr 2024 - 20min - 142 - #141 絶世の美女を想起させる流麗な音楽オッフェンバック『美しきエレーヌ』序曲
今週は、絶世の美女であったスパルタ王妃ヘレネの誘惑のストーリーをオペレッタにしたオッフェンバック『美しきエレーヌ』をお届けします。
ここでパロディ化されているのは、当時の絶世の美女であった皇帝ナポレオン3世の妻、ウジェーヌではないかという説もありますが、真偽の程はともあれ、この作品も『天国と地獄』同様大成功を収めます。
このオペレッタのフランス語の原題は『La Belle Hélène(ラ・ベル・エレーヌ)』。これは洋梨とチョコレートを使ったフランスの代表的なスイーツの名前でもあるのですが、このオペレッタが由来という説もあります。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジャック・オッフェンバック作曲喜歌劇『美しきエレーヌ』序曲
Darrell Ang/指揮 Lille National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 12 Apr 2024 - 16min - 141 - #140 当時の世相を反映し大ヒットしたオッフェンバック『天国と地獄』序曲
今回は、連続228回も上演されたほど大当たりをしたジャック・オッフェンバック作曲の『天国と地獄』をお届けします。
ギリシャ神話のオルフェオとエウリディーチェの悲劇を、当時の世相を反映した《夢幻オペラ》(Opéra féérie)として喜劇化した作品に、当時の聴衆はおおいに興味をそそられました。
そのストーリーもさることながら、優美な旋律とそれを盛り立てるハーモニーの進行の素晴らしさもこの作品の大きな魅力となっています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジャック・オッフェンバック作曲喜歌劇『天国と地獄』序曲
Martin Sieghart/指揮 CSR Symphony Orchestra, Bratislava/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 05 Apr 2024 - 13min - 140 - #139 多様で聴き応えあるデザンクロ『サクソフォン四重奏曲』
ビゼー『アルルの女』、ドビュッシー『アルトサクソフォンと管弦楽のための狂詩曲』、ムソルグスキー作曲/ラヴェル編曲『展覧会の絵』より「古城」と、サクソフォン・ソロにフォーカスしてご紹介してきましたが、今回はサクソフォンの四重奏曲をお届けします。
この作品はアルフレッド・デザンクロが1964年に作曲、サクソフォンの特性を熟知した上で、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4本の音色や音量を活かしつつ、多様な音楽を紡ぎ出して行きます。それゆえに、高い演奏技術も求められる難曲です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】アルフレッド・デザンクロ作曲『サクソフォン四重奏曲』
日本経済大学・吹奏楽部/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 29 Mar 2024 - 21min - 139 - #138 サクソフォンの名曲といえばラヴェル編曲『展覧会の絵』- 「古城」
今週もサクソフォンの音色を活かしたムソルグスキー作曲、モーリス・ラヴェル編曲の組曲『展覧会の絵』より第2曲「古城」をお届けします。
『展覧会の絵』の原曲はピアノ・ソロでしたが、そのスケールの大きさゆえに、ボストン・シンフォニーの音楽監督だったセルゲイ・クーセヴェッキーがこの曲のオーケストレーションをラヴェルに依頼。
ラヴェルは「古城」の古く朽ちた城の暗さを表現するのに、やはり音域の幅が広く表現力豊かなサクソフォンを選んだのでしょうか。
奇しくも、ナビゲーターの中田昌樹さんのヨーロッパ・デビュー演奏会のメイン曲が、この『展覧会の絵』。その選曲にまつわるエピソードが番組後半で明かされます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モデスト・ムソルグスキー作曲/モーリス・ラヴェル編曲 組曲『展覧会の絵』:第2曲 古城
Leonard Slatkin/指揮 Lyon National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 22 Mar 2024 - 16min - 138 - #137 ミステリアスなドビュッシー『アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲』
ビゼーが『アルルの女』組曲で用いたのとは、全く異なる性格のアルト・サクソフォンの特性を活かした、ドビュッシーの『アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲』。
この曲はエリザ・ホール夫人というサクソフォン奏者から委嘱され、1901年から1908年の間に書かれました。
全音音階などのドビュッシー独特の、少し不安定でミステリアスなサウンドの中に、この時期作曲したほかの作品の断片が聞こえてきますが、それにはどうやらその頃のドビュッシーの私生活が関係している様です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲/ポール・デュカス編曲 『アルト・サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲』
Theodore Kerkezos/指揮 Philharmonia Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 15 Mar 2024 - 13min - 137 - #136 お馴染みのあの曲!ビゼー『アルルの女』第2組曲 - ファランドール
エルネスト・ギロー編纂による『アルルの女』第2組曲の最後の曲は誰もがどこかで聴いたことのある「ファランドール」です。 この曲では、プロヴァンス地方の舞曲『王様(たち)の行進』『狂った馬のダンス』が効果的に用いられています。 中田昌樹さんがまだ指揮者として駆け出しの頃、子供たちがおそらく初めてオーケストラの演奏を聞く音楽鑑賞教室で、この『ファランドール』などの名曲を指揮した時の経験談も語られます。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲/エルネスト・ギロー編曲 『アルルの女』第2組曲 第4曲 - ファランドール Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 15 Mar 2024 - 13min - 136 - #135 フルート・ソロの名曲で始まるビゼー『アルルの女』第2組曲 -メヌエット
エルネスト・ギロー編纂による『アルルの女』第2組曲の第3曲「メヌエット」。この曲はビゼーのオペラ『美しきパースの娘』から取り入れられた楽曲なのです。
冒頭のフルートのソロは名曲中の名曲。途中からほかの管楽器の音色が加わり、甘美なサウンドが奏でられますが、何気ない演奏に聞こえて実は奏者にとっては微妙な技術が求められる曲でもあります。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲/エルネスト・ギロー編曲 『アルルの女』第2組曲 第3曲 - メヌエット
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 01 Mar 2024 - 10min - 135 - #134 ギローによるオーケストレーションの妙、ビゼー『アルルの女』第2組曲- 間奏曲
エルネスト・ギロー編纂による『アルルの女』第2組曲の第2曲「間奏曲」をお届けします。
中間部の旋律は、サキソフォンの艶やかな音色で、柔和な表現を存分に活かしています。また、オーケストラの音の密度の幅の変化や、音域の位置による緊張感の変化など、オーケストレーションの妙が随所にみられます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲/エルネスト・ギロー編曲 『アルルの女』第2組曲 第2曲 - 間奏曲
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 23 Feb 2024 - 12min - 134 - #133 音像の設計に注目!ビゼー『アルルの女』第2組曲 - パストラール
ビゼー自身の編纂による『アルルの女』第1組曲に続き、今度はエルネスト・ギローによって編纂された第2組曲をご紹介します。 第1曲の「パストラール」は田園を舞台として重厚な響きで始まり、トロンボーンなど楽器が効果的に使われています。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲/エルネスト・ギロー編曲 『アルルの女』第2組曲 第1曲 - パストラール Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 16 Feb 2024 - 13min - 133 - #132 絶妙な距離感と明暗を持つビゼー『アルルの女』第1組曲 - カリヨン
ビゼーの組曲『アルルの女』第1組曲の最後を飾る第4曲は「カリヨン」です。
カリヨンとは、それぞれピッチのついた多数の鐘を一組みにして、教会の鐘楼などにつるして打ち鳴らす楽器のこと。絶妙な距離感と明暗を持つこの曲は、17歳で作曲した交響曲ハ長調と比べ格段に成長したビゼーの音楽的な感性や技術が見事です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『アルルの女』第1組曲 第4曲 - カリヨン
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 09 Feb 2024 - 11min - 132 - #131 マーラーを彷彿とさせる⁈ビゼー『アルルの女』第1組曲 - アダージェット
ビゼーの組曲『アルルの女』第1組曲より第3曲「アダージェット」をお届けします。
弦楽四重奏で始まるこの楽曲は、対位法を規則通りに用いつつも、倚音(いおん)を巧みに使った手法で描かれてます。
パリ音楽院でのビゼーの勤勉さが感じられる一方、時代を下ったマーラーの交響曲第五番の「アダージェット」を予見させる芳醇さも見出せます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『アルルの女』第3曲 - アダージェット
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 02 Feb 2024 - 11min - 131 - #130 軽やかで流麗なビゼー『アルルの女』第1組曲 - メヌエット
前回に続き、ビゼーの組曲『アルルの女』第1組曲を紹介します。
第2曲は「メヌエット」。メヌエットはもともと「menu(=小さい)」を語源とした宮廷舞曲ですが、ビゼーの軽やかで流麗な流れのこの楽曲には、近代にも通じるような音楽の構成を随所に見ることができます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『アルルの女』第2曲 - メヌエット
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 02 Feb 2024 - 08min - 130 - #129 芳醇なるハーモニーが展開するビゼー『アルルの女』第1組曲 - 前奏曲
交響曲ハ長調に続き、同じくビゼーの組曲『アルルの女』を紹介します。
『アルルの女』はビゼー自身が編纂した第1組曲と、ビゼーの死後ギローによる編纂の第2組曲がありますが、まずは第1組曲からご紹介します。
シンプルな交響曲ハ長調とは異なり、芳醇なハーモニーの展開に溢れる作風をご堪能ください。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『アルルの女』第1組曲 - 前奏曲
Pablo González/指揮 Barcelona Symphony and Catalonia National Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 19 Jan 2024 - 14min - 129 - #128 明るい中に転調の妙、ビゼー『交響曲』ハ長調
ジョルジュ・ビゼーの交響曲ハ長調の第4楽章です。
この最終楽章では、モーツァルトを彷彿とさせる天真爛漫で明るいサウンドの中に、ビゼーの天才的ともいえる転調の妙を感じとることができます。
モーツァルトといえば映画『アマデウス』が思い起こされますが、もともとの舞台作品はアメリカ、フランス、日本でそれぞれ異なる演出だったようです。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『交響曲』ハ長調 第4楽章 Donald Johanos/指揮 New Zealand Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 12 Jan 2024 - 13min - 128 - #127 あの名曲を予感させるビゼー『交響曲』ハ長調
ジョルジュ・ビゼーの交響曲ハ長調の第3楽章です。
A-B-A'という古典的な形式の中に、後のビゼーの名曲『カルメン』や『アルルの女』をふと予感させるハーモニーが見出されます。
プログラムの後半では、1980年代のパリの管弦楽団の録音会場や楽譜にまつわるエピソードも語られます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『交響曲』ハ長調 第3楽章 Donald Johanos/指揮 New Zealand Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 05 Jan 2024 - 12min - 127 - #126 天衣無縫な若き日のビゼー『交響曲』ハ長調
ジョルジュ・ビゼーの交響曲ハ長調の第2楽章です。 1855年、ビゼー17歳の時に作曲されたこの交響曲の第2楽章は、初々しくも弦楽器の甘美かつフーガによるシンプルなサウンドが奏でられる作品となっています。 ビゼーは、新進の芸術家たちにとって登竜門的存在であるローマ大賞を受賞してローマ留学を果たしますが、その後の作曲家としての道のりは厳しいものがあったようです。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『交響曲』ハ長調 第2楽章 Donald Johanos/指揮 New Zealand Symphony Orchestra/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 05 Jan 2024 - 13min - 126 - #125 初演まで80年!ビゼー『交響曲』ハ長調
ジョルジュ・ビゼーが17歳の時に作曲した交響曲ハ長調をお届けします。
これ以上シンプルで明るいものはないというくらい天真爛漫な曲想の作品で、ある音楽学者に発見され、指揮者のワインガルトナーによって初演されたのが作曲後80年という、埋もれた名作でした。
番組の後半ではワインガルトナーの功績についても触れられています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲 『交響曲』ハ長調 第1楽章
Donald Johanos/指揮 New Zealand Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 22 Dec 2023 - 14min - 125 - #124 バッハに始まりオッフェンバッハで終わる?-サン=サーンス『ピアノ協奏曲』第2番- 第3楽章
カミーユ・サン=サーンスの『ピアノ協奏曲』第2番の第3楽章です。
楽章ごとに全く異なる表情を見せるサン=サーンスのこのコンチェルトですが、第3楽章ではイタリア南部の激しい舞曲の後に、教会に足を踏み入れた時に鳴り響くような、オルガンの重厚さを再現する曲想が奏でられます。
この協奏曲で、軽快かつ素晴らしいピアノを演奏しているのはロマン・デシャルム、#108〜#111でご出演いただいたソプラノ歌手の安田麻由子さんのご主人です。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『ピアノ協奏曲』第2番 ト短調 第3楽章
Marc Soustrot/指揮 Romain Descharmes/ピアノ
Malmö Symphony Orchestra/演奏
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【提供】笹川日仏財団
Fri, 15 Dec 2023 - 09min - 124 - #123 陽光煌めくサン=サーンス『ピアノ協奏曲』第2番- 第2楽章
カミーユ・サン=サーンスの『ピアノ協奏曲』第2番の第2楽章です。
この楽章はティンパニーから始まりティンパニーで終わる、とても珍しい曲です。しかも第1楽章と異なり、地中海の明るい太陽を思い起こさせるような明るく流麗な曲調です。
やはり珍しく曲の冒頭がティンパニーで始まるベートーヴェンの『ヴァイオリン協奏曲』にまつわる、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のミッシェル・シュヴァルベとの印象的なエピソードも番組後半で語られます。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『ピアノ協奏曲』第2番 ト短調 第2楽章
Marc Soustrot/指揮 Romain Descharmes/ピアノ
Malmö Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
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Fri, 08 Dec 2023 - 14min - 123 - #122 踏襲と予感のサン=サーンス『ピアノ協奏曲』第2番- 第1楽章
カミーユ・サン=サーンスのピアノ協奏曲2作品のうち、1868年に作曲された第2番をお届けします。
協奏曲第1番も第2番も初演は自分で弾くほどのピアノの名手だったサン=サーンス。第1楽章だけでも多種多様な音楽が流れる、この巨匠の多面的な音楽的才能をご堪能ください。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『ピアノ協奏曲』第2番 ト短調 第1楽章
Marc Soustrot/指揮 Romain Descharmes/ピアノ
Malmö Symphony Orchestra/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
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Fri, 01 Dec 2023 - 13min - 122 - #121 “神に誇ってもよいくらいの作曲家”サティ『ジムノペディ』
今回は、エリック・サティ作曲の『ジムノペディ』をドビュッシーのオーケストラ編曲版でお聴きいただきます。
オーケストレーションによって多様な音色が重なって、いわば点描のようなピアノ版とは異なり、イメージの膨らみが感じられるのではないでしょうか。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エリック・サティ作曲 『ジムノペディ』第1番 (オーケストラ版/クロード・ドビュッシー編曲)
ジェローム・カルテンバック/指揮 ナンシー歌劇場交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 24 Nov 2023 - 17min - 121 - #120 自筆の楽譜が楽しい-サティ『スポーツと気晴らし』その2
エリック・サティが高級婦人雑誌の企画でシャルル・マルタンの20枚のイラストに曲をつけた『Sports et divertissements(スポーツと気晴らし)』の2回目です。
今回もまずは曲を聴いてどんなイラストが描かれているか、想像しながら聴いてください。
#108~#111でご出演していただいたソプラノの安田麻由子さんがNHKテレビ「名曲アルバム」で前回の『Je te veux』を演奏していますので、ぜひご鑑賞ください。
サティ作曲 「ジュ・トゥ・ヴ~あなたが欲しい~」
ピアノ 本田聖嗣 ソプラノ 安田麻佑子
11月22日(水) 5:55-6:00 BSP/BS4K
11月23日(木) 6:20-6:25 Eテレ
中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エリック・サティ作曲 『スポーツと気晴らし』より 「競馬」「陣取り遊び」「ピクニック」「ウォーターシュート」「そり」「いちゃつき」「花火」
Klára Körmendi(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 17 Nov 2023 - 11min - 120 - #119 自筆の楽譜が楽しい-サティ『スポーツと気晴らし』その1
エリック・サティの2回目です。 今回お届けするのは、高級婦人雑誌の企画でシャルル・マルタンの20枚のイラストにサティが曲をつけた『Sports et divertissements(スポーツと気晴らし)』です。絵に応じた20曲のほかに、前置きとしてサティ自身が「まじめで立派なコラール」と称する「序曲」もあります。 自筆の楽譜には、拍子の指定も小節線もなく、演奏は音楽家のイメージに委ねられていて、時代を先取りしているかのようです。 #108~#111でご出演していただいたソプラノの安田麻由子さんがNHKテレビ「名曲アルバム」で前回の『Je te veux』を演奏していますので、ぜひご鑑賞ください。 サティ作曲 「ジュ・トゥ・ヴ~あなたが欲しい~」 ピアノ 本田聖嗣 ソプラノ 安田麻佑子 11月11日(土) 14:50-14:55 NHK総合TV 11月15日(水) 12:40- 12:45 Eテレ 11月23日(木) 6:20-6:25 Eテレ BSP/BS4K 11月22日(水) 5:55-6:00 同じく安田麻由子さんがNHK FMラジオ「リサイタル・パッシオ」に出演されます。あわせてご鑑賞ください。 リサイタルとお話(ドビュッシー、R,シュトラウス、プーランク 他) MC 金子三勇士 ピアノ 江澤隆行 ソプラノ 安田麻佑子 再放送11月12日(日) 5:00-5:35 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】エリック・サティ作曲 『スポーツと気晴らし』より 「序曲」「ブランコ」「狩」「イタリア喜劇」「花嫁の目覚め」「目隠し鬼」「魚釣り」 Klára Körmendi(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 10 Nov 2023 - 13min - 119 - #118 誰もが聞いたことのあるあのメロディ-サティ『Je te veux』
これから4回にわたってエリック・サティを取り上げます。 今回お届けするこの曲は、誰もがどこかで聞いたことがあるけれども、曲のタイトルはわからない人が多いのではないでしょうか。これはサティ作曲の『Je te veux(ジュ・トゥ・ヴ)』。直訳すれば「あなたが欲しい」ですが、これはもともとスローワルツの女王と言われたポレット・ダルティのために書かれたシャンソンで、サティ自身がピアノ独奏用に編曲したものです。そのため結構低いキーで書かれています。 #108〜#111でご出演していただいたソプラノの安田麻由子さんがNHKテレビ「名曲アルバム」でこの『Je te veux』を演奏していますので、ぜひご鑑賞ください。 サティ作曲 「ジュ・トゥ・ヴ〜あなたが欲しい〜」 ピアノ 本田聖嗣 ソプラノ 安田麻佑子 11月1日(水) 12:40-12:45 Eテレ 11月11日(土) 14:50-14:55 NHK総合TV 11月15日(水) 12:40- 12:45 Eテレ 11月23日(木) 6:20-6:25 Eテレ BSP/BS4K 11月6日(月) 5:55-6:00 11月22日(水) 5:55-6:00 同じく安田麻由子さんがNHK FMラジオ「リサイタル・パッシオ」に出演されます。あわせてご鑑賞ください。 リサイタルとお話(ドビュッシー、R,シュトラウス、プーランク 他) MC 金子三勇士 ピアノ 江澤隆行 ソプラノ 安田麻佑子 11月5日(日) 20:20-20:55 再放送11月12日(日) 5:00-5:35 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】エリック・サティ作曲 『Je te veux(あなたが欲しい)』 Nicolas Horvath(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 03 Nov 2023 - 11min - 118 - #117 楽しさとアンニュイが交錯するプーランク『六重奏曲』第三楽章
フランシス・プーランク作曲『六重奏曲』(木管五重奏+ピアノ)の第三楽章は、ゆっくりとした第二楽章とは対照的に、Prestissimo (プレスティッシモ)。 慌ただしく急いだテンポ感じで、沈黙していたピアノが目まぐるしく活躍します。また、ホルンの音質・音域の多様性が存分に生かされています。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲 『六重奏曲』第三楽章 フィリップ・ベルノルド(フルート)、オリヴィエ・ドワーズ(オーボエ)、ロナルド・ファン・スパンドンク(クラリネット)、 ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)、エルヴェ・ジュラン(ホルン)、アレクサンドル・タロー(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 27 Oct 2023 - 09min - 117 - #116 楽しさとアンニュイが交錯するプーランク『六重奏曲』第二楽章
前回に続き、フランシス・プーランク作曲『六重奏曲』(木管五重奏+ピアノ)をお届けします。 今回の第二楽章は、ディヴェルティスモン/Divertissement(イタリア語でディベルティメント/ Divertimento 日本語では嬉遊曲)と副題のついている、許された中での音楽的な遊びが施され、シンプルな中にもそれぞれの楽器の特性がよく表されています。 久野麗著『プーランクを探して』(春秋社、2023年)に、プーランクが8歳の時に聞いたドビュッシーの『神聖な舞曲と世俗的な舞曲』や12歳の時に観たビゼーの『カルメン』についての感想が紹介されていて、この作曲家の幼い頃からの鋭い感受性が見て取れます。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲 『六重奏曲』第二楽章 フィリップ・ベルノルド(フルート)、オリヴィエ・ドワーズ(オーボエ)、ロナルド・ファン・スパンドンク(クラリネット)、 ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)、エルヴェ・ジュラン(ホルン)、アレクサンドル・タロー(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 20 Oct 2023 - 10min - 116 - #115 楽しさとアンニュイが交錯するプーランク『六重奏曲』第一楽章
オーボエ、ファゴット、ピアノによる『三重奏曲』に続き、同じくフランシス・プーランク作曲による木管五重奏+ピアノの編成の『六重奏曲』。
木管五重奏にはフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットに、なぜか金管楽器のホルンが入っていますが、木管楽器の素速い動きに、勝るとも劣らないホルンの素速いタンギングと雄弁な表現もこの曲のひとつの聴きどころでしょう。 中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲 『六重奏曲』
フィリップ・ベルノルド(フルート)、オリヴィエ・ドワーズ(オーボエ)、ロナルド・ファン・スパンドンク(クラリネット)、
ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)、エルヴェ・ジュラン(ホルン)、アレクサンドル・タロー(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 13 Oct 2023 - 13min - 115 - #114 変幻自在のプーランク『三重奏曲』第三楽章
フランシス・プーランク作曲のオーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』の第三楽章です。
オーボエとファゴットという、お互いとても特徴的な音色の楽器で奏でられる旋律線が絡み合う中、巧みに寄り添うピアノは、曲全体を縁取るような絵画的な曲想が感じられます。
このダブルリードの楽器で、このように軽やかさを出すのは至難の業なのですが、これを可能としているのは、フランス語ならではの口の動きや舌の鋭敏さ、話す言葉の速さなども関連しているのではないでしょうか。これぞ軽妙洒脱としか言いようのないこの第三楽章をご堪能ください。
中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲 オーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』第三楽章
オリヴィエ・ドリーズ(オーボエ)/ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)/アレクサンドル・タロー(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 06 Oct 2023 - 09min - 114 - #113 変幻自在のプーランク『三重奏曲』第二楽章
フランシス・プーランク作曲のオーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』の第二楽章です。
プーランクは、音域によって全く異なる響きを持つオーボエという楽器の特性をよく知っていたのでしょう。フルートやクラリネットに比べ、音圧が必要なダブル・リードならではのオーボエ表現力をお聴きください。
中田昌樹さんのFacebookでは番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲 オーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』第二楽章
オリヴィエ・ドリーズ(オーボエ)/ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)/アレクサンドル・タロー(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 29 Sep 2023 - 10min - 113 - #112 変幻自在のプーランク『三重奏曲』第一楽章
今回はフランシス・プーランクが20代半ばに作曲したオーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』を聴いていただきます。
この三重奏曲はフランス語でフランス語でTrio pour hautbois, basson et pianoと、ファゴットではなくバスーン(フランス語読みではバッソン)とあります。バスーンとファゴットは同じ楽器で、国によって呼び方が違うだけ(英語圏ではファゴットをバスーンと呼んでいます)と思われている方が多いかもしれませんが、実は似て非なる楽器です。機構や奏法なども異なります。
第一楽章は重々しく始まりますが、すぐにとても早口で喋っているかのような軽快なリズムとなり、そしてまたその後全く違った音楽となるといった、変幻自在の様相を呈しています。
フランスは木管楽器の名人たちを多く輩出していますが、それは彼らが、細かい口や舌の動きが求められるフランス語話者であることが影響しているのかもしれません。
なお、番組内ではなかなか伝え切れない内容を中田昌樹さんがご自身のFacebookでフォローくださっていますので、こちらもご参照ください。
【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲 オーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』 オリヴィエ・ドリーズ(オーボエ)/ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)/アレクサンドル・タロー(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 22 Sep 2023 - 12min - 112 - #111 フランス歌曲の珠玉-安田麻佑子さんをお招きして(その4)
パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんをお招きしての4回目、最終回です。 今回は、安田さんの声質である、ソプラノの中でも高い音を得意とする、コロラトゥーラ・ソプラノのレパートリーに多く取り上げられる「うぐいす」がテーマです。 「うぐいす」と名のつく曲はほとんど歌った、という安田さん。 鳥のさえずりを聞くと、それが音符になって感じてしまうフランス人の音楽仲間や、鳥の鳴き声を採譜してたくさんの作品を作曲したオリビエ・メシアンまで話は広がりました。フランス人には自然を愛で、それを捉えて芸術作品に高める鋭い感性があるのでしょう。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】アルバム『Estampes』よりレイナルド・ハーン作曲 『リラに来るうぐいす』、レオ・ドリーブ作曲『うぐいす』 安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ)/フルール・グルネセン(フルート) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 15 Sep 2023 - 17min - 111 - #110 フランス歌曲の珠玉–安田麻佑子さんをお招きして(その3)
パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんをお招きしての3回目です。 青白く揺蕩う月の光に魅せられたフランスの作曲家たち。ドビュッシーとフォーレ、同時代に活躍したふたりですが、その作風の違いに対する、安田さん自身の向き合い方についてのお話は興味深いものがあります。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】アルバム『Estampes』よりクロード・ドビュッシー作曲 『月の光』、ガブリエル・フォーレ作曲『月の光』 安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
Fri, 08 Sep 2023 - 18min - 110 - #109 フランス歌曲の珠玉–安田麻佑子さんをお招きして(その2)
パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんをお招きしての2回目です。
個性豊かなドビュッシーの作品や、これぞフランス歌曲というアーンの曲について、その魅力を語っていただきます。
パリ市立シャトレ劇場のデビューに、モーツァルト『魔笛』の夜の女王に抜擢されたコロラトゥーラの安田さんが奏でる、美しい演奏をご堪能ください。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】アルバム『Estampes』よりクロード・ドビュッシー作曲 『ピエロ』『あやつり人形』『中国のロンデル』、エルネスト・ハーン作曲『春』
安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 01 Sep 2023 - 25min - 109 - #108 フランス歌曲の珠玉—自然からのインスピレーション
パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんがフランスのレーベルArties'sから2016年に発表したアルバム『Estampes』より、珠玉のフランス歌曲の数々をこれから3回にわたってお届けします。
Estampe(エスタンプ)はフランス語で版画を意味します。日本の版画というと浮世絵ですが、このアルバムは浮世絵の世界にあるような花や鳥、虫をテーマにプログラムしたそうです。
一時帰国中の安田さんにお越しいただき、フランスでの舞台秘話など、いろいろなエピソードを語っていただきました。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】アルバム『Estampes』よりジョルジュ・ビゼー作曲 『てんとう虫』、エルネスト・ショーソン作曲『ハチドリ』
安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
*このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 25 Aug 2023 - 21min - 108 - #107 華やかで多彩、管楽器のオーケストレーションの妙-ラヴェル『鏡』より「道化師の朝の歌」(管弦楽版)
ピアノ組曲『鏡』の「道化師の朝の歌」をラヴェル自身がオーケストレーションした管弦楽版でお届けします。
『ダフニスとクロエ』や『ラ・ヴァルス』と同様、高度なテクニックを必要とする管楽器の躍動と、多彩な種類の打楽器の使用で、華麗なサウンドを奏でます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 組曲 『鏡』より第5曲「道化師の朝の歌」(管弦楽版)
フランス国立リヨン管弦楽団、レナード・スラットキン(指揮)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
*このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 18 Aug 2023 - 10min - 107 - #106 スペイン人よりもスペイン的?ーラヴェル『鏡』より「道化師の朝の歌」(ピアノ盤)
組曲『鏡』の中でも最も演奏される機会が多い「道化師の朝の歌」。唯一「Alborada del gracioso」というスペイン語のタイトルがついていることからも想像できるとおり、とてもスペイン的な楽曲です。これ以外にも、ラヴェルはオペラ『スペインの時』や管弦曲『スペイン狂詩曲』など、スペインを意識した作品を多く残し、「スペイン人よりもスペイン的な曲を書く」と言われることもあります。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 組曲 『鏡』より第5曲「道化師の朝の歌」 フランソワ・ジョエル・ティオリエ/ピアノ イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団 *このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 11 Aug 2023 - 08min - 106 - #105 カラフルな油絵のよう?-ラヴェル『鏡』より「海原の小舟」(管弦楽版)
モーリス・ラヴェル作曲のピアノ組曲『鏡』の中から、作曲家自身によってオーケストレーションされた「海原の小舟」をお届けします。 ヴィオラの中音域の音色を活かしたソロ、クラリネットやバスクラリネットの独特な奏法、ソルディーノ(弱音器)をつけた金管楽器の特殊な音色で、波飛沫のたつ海原で揺れる小さな舟の様子とともに、天候の情景までもが目に浮かぶような、ラヴェル独自の手法で見事に描かれています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 組曲 『鏡』より第3曲「海原の小舟」(管弦楽版) フランス国立リヨン管弦楽団、レナード・スラットキン(指揮) イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団 *このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 04 Aug 2023 - 08min - 105 - #104 作曲家を魅するものーラヴェル『鏡』より「海原の小舟」(ピアノ版)
アパッチ族をフランス語風に「アパッシュ」と名乗り、「ならず者」を気取った芸術家グループ。ドビュッシーの斬新なオペラ『ペレアスとメリザンド』を擁護するなど新しい芸術を支持することを信条とし、毎週土曜日に集まって文学や音楽の新作を披露していました。世紀末のパリを象徴するこのサークルは、第一次世界大戦が始まった1914年に解散するまで、定期的に会合を開いていました。 モーリス・ラヴェルは、1904年から1905年にかけて作曲したピアノ組曲『鏡』の5つの曲をこのアパッシュのメンバーに献呈しています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】モーリス・ラヴェル作曲 組曲 『鏡』より第3曲「海原の小舟」 フランソワ・ジョエル・ティオリエ/ピアノ イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団 *このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 28 Jul 2023 - 09min - 104 - #103 カルメンのいない『カルメン』-エスカミーリョの巻
カルメンのいない『カルメン』の最終回です。
スペインの英雄、闘牛士のエスカミーリョにとってカルメンはどんな存在なのでしょう? バリトンの町英和さんが独自の視点で語ります。
そして、ピアノを演奏している江澤隆行さんからも『カルメン』の音楽性について短くも鋭いコメントをいただいています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲オペラ 『カルメン』 行進曲と合唱(第4幕)、闘牛士の歌(第2幕)
中田昌樹/指揮 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏 町英和/バリトン 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
*このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 21 Jul 2023 - 21min - 103 - #102 カルメンのいない『カルメン』-ミカエラの巻
カルメンのいない『カルメン』の3回目。
ホセの故郷のバスクから想いを寄せる許嫁ミカエラ。プロスペール・メリメの原作にはない、清らかで純朴、弱々しいのか、はたまたそれは見かけだけで芯のある強い性格なのか。演出家や歌手によって性格づけが異なるという不思議な存在です。
番組後半では、カバーとアンダースタディというオペラ公演には欠かせない役割について、中田先生自らの経験に基づいた説明に「なるほど!」と納得。
【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲オペラ 『カルメン』 第三幕への間奏曲、ミカエラのアリア(第3幕)
中田昌樹/指揮 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏 吉田珠代/ソプラノ 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
*このシリーズでホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 14 Jul 2023 - 26min - 102 - #101 カルメンなしで『カルメン』を語る–ホセの巻
カルメンのいない『カルメン』の2回目です。 故郷の許嫁であるミカエラと再会後、カルメンと出会い、どんどんのめり込んでいくホセ。カルメンへの想いでいっぱいに膨らんだ胸の内を全て吐露する愛の告白「花の歌」は、少し物憂げな調べの曲です。きっと、聴いている人の心にも響くことでしょう。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲オペラ 『カルメン』 第四幕への間奏曲、花の歌(第2幕) 中田昌樹/指揮 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏 後田翔平/テノール 江澤隆行/ピアノ イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ 【提供】笹川日仏財団
*今回ホセを歌った後田翔平さんのソロリサイタルが、9月10日(日)14時より西条市総合文化会館にて上演されます。 http://sogobunka.com/jigyo/4911
Fri, 07 Jul 2023 - 17min - 101 - #100 祝100回記念!-カルメンなしで『カルメン』を語る
レクチャーコンサートやオペラ演奏会でオペラを中心とするフランス音楽を紹介してきましたが、100回記念を飾る今回はフランスの代表作『カルメン』を再び取り上げます。
今までレクチャーコンサートやオペラに出演してもらい現在まで目覚ましい活躍をしている歌手たちに出演してもらい、「ちょっと変わった切り口」を謳う当番組らしく、カルメンのいないオペラ『カルメン』を語ります。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲オペラ 『カルメン』 第二幕への間奏曲/ミカエラとホセの二重奏(第1幕)
中田昌樹/指揮 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏 後田翔平/テノール 吉田珠代/ソプラノ 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ
【提供】笹川日仏財団
Fri, 30 Jun 2023 - 19min - 100 - #99 誰もが知っているあの名曲!Fri, 23 Jun 2023 - 26min
- 99 - #98 チェロと管弦楽のためのサン=サーンス『アレグロ・アパッショナート』
前回に続きサン=サーンスの『アレグロ・アパッショナート』をお届けします。ただし今回の作品はチェロとオーケストラのために書かれたもの。
コンセルヴァトワールの教授のために作曲した『チェロ協奏曲』と、友人のために作曲したこの『アレグロ・アパッショナート』には類似点や相違点があります。同じ頃に作られたこれら2つの作品それぞれの味わいを堪能してみてはいかがでしょうか?
【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『アレグロ・アッパッショナート』 ロ短調 Op. 43 (チェロと管弦楽版) マルク・スーストロ/指揮 ガブリエル・シュヴァルべ/チェロ マルメ交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 16 Jun 2023 - 13min - 98 - #97 巧妙な謎かけあり!-サン=サーンス『アレグロ・アパッショナート』
1835年生まれのカミーユ・サン=サーンスにとって、偉大なる音楽の先人たちの筆頭としてべートーヴェンが一際大きな存在だったことは間違いありません。そのべートーヴェン以外にもサン=サーンスが影響を受けた作曲家たちがいます。 今回はそれらの作曲家の形式感が随所に見られる『アレグロ・アパッショナート』をご紹介します。音楽的にいろいろな仕掛けがこの曲に潜んでいるのは何故でしょうか。作曲の経緯を紐解いてみると、その理由にも納得です! 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲 『アレグロ・アッパッショナート』 嬰ハ短調 Op. 70 (ピアノ版) ジェフリー・バールソン/ピアノ イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 09 Jun 2023 - 15min - 97 - #96 心情を吐露するような情景を描く-ベルリオーズ『イタリアのハロルド』
ベルリオーズ作曲『イタリアのハロルド』の最終回は第1楽章を紹介します。
冒頭の荒涼としたところは、ベルリオーズの心の中に隙間風が吹くような情景を感じさせます。のちの『ファウストの劫罰』やその前に書いた『ファウストの八景』にも少し共通しています。また後半は、リズムの使い方など『幻想交響曲』に近いところもあります。
ビオラのソロはハロルドの語り部であり、そのハロルドの姿というのはベルリオーズが自分を重ねているような感じがしなくもありません。そうだとすれば、ヴィオラのソロの箇所があまり多くないのは、雄弁ではあるけれども多弁ではなかったベルリオーズの性格を表しているのかもしれません。
ベルリオーズは文学的思考が強く、劇的交響曲『ロメオとジュリエット』という曲を作り、オペラでもカンタータでもない形でいかに劇的な効果を生み出すかに腐心していたようです。今の時代からみるとなかなか斬新なことをしていたのではないでしょうか。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲 交響曲『イタリアのハロルド』 第1楽章 山におけるハロルド、憂愁、幸福と歓喜の場面
レナード・スラットキン/指揮 リズ・ベルトー/ヴィオラ フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 02 Jun 2023 - 09min - 96 - #95 ヴィオラの独白を堪能する-ベルリオーズ『イタリアのハロルド』
ベルリオーズ『イタリアのハロルド』第3楽章をお聴きいただきます。
古典的な形式では、交響曲の3楽章はスケルツォといって舞曲が入ることが多いのですが、この曲はその形式を踏襲しています。ここでは、農民が収穫が終わってみんなでダンスをしているような音楽が出てきます。ベルリオーズの生家があるラ・コート=サン=タンドレは、リヨンとグルノーブルの間にある山間部の村で、ベルリオーズはパリに行ってからも思い出したりしていたのではないでしょうか。その故郷の村祭りをハロルドが遠くからみていて、ヴィオラの雄弁ともいえるような幅の広い音色で語りかけているかのようです。
そのラ・コート=サン=タンドレで指揮者のセルジュ・ボドが国立リヨン管弦楽団とともにフェスティバル・ベルリオーズを1979年に始めました。何年もかけてベルリオーズ作品を全部やるという壮大な計画で、彼が引退した後はブリュノ・メッシーナという音楽学者が後を継ぎ、今でもフェスティバルは続いています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲 交響曲『イタリアのハロルド』 第3楽章 アブルッチの山人が、その愛人に寄せるセレナード
レナード・スラットキン/指揮 リズ・ベルトー/ヴィオラ フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 26 May 2023 - 14min - 95 - #94 ベートーヴェンの偉大な影-ベルリオーズ『イタリアのハロルド』
ベルリオーズ自身が劇的交響曲と名付けた『イタリアのハロルド』。イギリスのバイロン卿の詩集にインスピレーションを受け、騎士(ナイト)を目指す若者が諸国を巡礼するという物語で、語部を受け持つのがヴィオラソロという少し変わったアプローチの曲です。
ベートーヴェンには「雷に打たれた」というほどに影響を受けたベルリオーズで、この曲もベートーヴェン的な交響曲が頭にあったのか、四楽章形式になっています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲 交響曲『イタリアのハロルド』 第4楽章 山賊の饗宴:前景の追想
レナード・スラットキン/指揮 リズ・ベルトー/ヴィオラ フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 19 May 2023 - 09min - 94 - #93 もっと演奏してほしい!-サン=サーンス『チェロ協奏曲第二番』
前回に続いてサン=サーンス作曲『チェロ協奏曲』の第二番をお届けまします。
サン=サーンス自身、第一番に比べてこの第二番は皆演奏したがらないだろうと言っていたようです。というのも、大袈裟な動きこそないものの、高い位置での三連符やポジション移動など、細かい技術が求められる実は結構大変な曲だからです。でも、チェロのシンプルで綺麗な音色を存分に生かしつつ、オーケストレーションも充実感ある曲なので、もっと演奏されてもいい曲ではないかと思います。
チェロの協奏曲といえばドボルザーク作曲のものが金字塔のように聳え立っていますが、その曲にまつわるベルリンフィルハーモニーでの若かりし頃のヨーヨーマのエピソードも番組後半(9分30秒〜)で語られます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第2番 ニ短調』 第二楽章 マルク・スーストロ/指揮 ガブリエル・シュヴァーベ/チェロ
マルメ交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 12 May 2023 - 15min - 93 - #92 流麗明朗な音色-サン=サーンス『チェロ協奏曲第二番』
サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲』の第一番につづき、第二番をお届けまします。
第一番に比べてほとんど演奏される機会のない第二番は二つの楽章に分かれていますが、第一楽章内が二つの部分に分かれており、三部形式の古典的で割合にきちっとした様式で書かれている曲です。冒頭は協奏曲というより交響曲のような情熱感溢れるサウンドで、その次にチェロの流麗で明るく、柔らかく朗らかな音域を使う部分が出てきます。
番組の後半では(15'06"〜)、3月下旬に京都フランス音楽アカデミーに講師で来ていたチェリストのアンリ・ド・マルケットさんへのインタビューの続きをお届けします。映画音楽の大家、ミッシェル・ルグランが彼のために書いたチェロ協奏曲の誕生秘話などが語られています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第2番 ニ短調』 第一楽章 マルク・スーストロ/指揮 ガブリエル・シュヴァーベ/チェロ
マルメ交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 05 May 2023 - 21min - 92 - #91 自由な形式感のはじまり-サン=サーンス『チェロ協奏曲第1番』
弦楽器にとっての名人芸/ virtuosity である、難しいポジションを駆使する重音奏法をあまり使わないサン=サーンスの協奏曲は、ひたすら弦楽器の滑らかな音を、三連符の多用で無窮動(むきゅうどう)/Perpetuum mobile のような世界を創ります。
しかし、その動きがふと途絶えた刹那、中空に漂うような錯覚を抱くような静寂と敬虔な祈りの音楽が聞こえて来る、というのも、あのパリ・マドレーヌ寺院の広大で深い空間を熟知しているからでしょうか。
個人的な体験として、マドレーヌ寺院でヘンデルの大曲『メサイア』を指揮した時、ギリシャ神殿のような遮るものの無い、凄まじく広い直方体の中を、音の振動が空気を伝わって行くのを直に感じて、身震いした記憶が鮮明に残っています。
(中田昌樹)
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第1番 イ短調』 第3部 ジャン=フランソワ・モナール/指揮 マリア・クリーゲル/チェロ
ボーンマス・シンフォニエッタ/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 28 Apr 2023 - 13min - 91 - #90 フランスならではの小粋-サン=サーンス『チェロ協奏曲第1番』
サン=サーンスが作曲した弦楽器のための協奏曲は、装飾的で超絶技巧を必要とする複雑な音符はあまり並んでいません。縦横無尽に音符が駆け巡るような音形が、極度に簡素化されたオーケストラの伴奏によって引き立つような配慮がなされています。
それはパリ・マドレーヌ寺院という、奥行き108m/幅43m/高さ33mのギリシャ神殿のような形状の、途轍もなく巨大な寺院で、19年という長きに渡る期間オルガン奏者を務め、天地を揺るがすような壮大に響く縦のハーモニーの中に身を呈していたサン=サーンスにとっての反作用で、横に連続する音符が軽妙に疾走する音楽が、まったく別世界で魅力的だったのかも知れません。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第1番 イ短調』 第2部 ジャン=フランソワ・モナール/指揮 マリア・クリーゲル/チェロ
ボーンマス・シンフォニエッタ/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 21 Apr 2023 - 10min - 90 - #89 多様な音の乱舞-プーランク『ニ台のピアノのための協奏曲』
名作のあと書かれた曲は、その威光に隠れてしまって、音楽的にはより充実している筈であるのに、知名度が上がらない事もままあります。チャイコフスキーのやラフマニノフの協奏曲などもその例でしょう。
プーランクが『二台のピアノのための協奏曲』の約20年後、ボストン交響楽団から委嘱された作曲された、もう一曲の『ピアノ協奏曲』(通常の一台のための!)があります。
1950年、プーランク自身のピアノ、シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団で初演が行なわれた素敵な曲です。しかし彼自身は、「弾いているうちに、聴衆の間に興味が停滞して行くのに私は気づいた」という感想を漏らしたと言われます。しかし一方で「ロマン派の協奏曲のような仰々しさを帯びていないし、また主題が伝統的な方法で展開されることもない。旋律自体が協奏曲であり、それがこの曲の特質の一つなのである」と好意的な批評もありました。
【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲『2台のピアノのための協奏曲』第三楽章 ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 14 Apr 2023 - 12min - 89 - #88 モーツァルトが舞う-プーランク『ニ台のピアノのための協奏曲』
サン=サーンスがあまりに早熟だったため、” Petite Mozart “ (プティ・モザール/モーツァルトの再来)と呼ばれていた、と。
事程左様に、フランスでもモーツァルトは天才の象徴で、その音楽も単なるお手本というより、憧憬に近いようなものがあったのでしょう。
そして、サン=サーンスも、モーツァルトのパラフレーズ/トランスクリプション(transcription)いう手法で、その存在に近づこうとしたのでしょうか…。
作曲中のプーランクにも、ふとモーツァルトが過(よぎ)る刹那があったに違いありません。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲『2台のピアノのための協奏曲』第二楽章 ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 07 Apr 2023 - 08min - 88 - #87 広汎な音が織りなす世界-プーランク『ニ台のピアノのための協奏曲』
作曲家にとって、ピアノを連弾(四手)で弾くことは、八十八ある鍵盤をなるべくたくさん使い、より豊かな音量を求めることが、さぞかし興味深い事に違いなく、サン=サーンスをはじめ、パイプオルガンを習得した多くの作曲家たちが、その広い音域使用に引き込まれています。 さてピアノ二台で弾く場合は...。 音域的には重複することも頻発しますが、各々のピアノが各々違った音形や音像をはっきりと分離することも可能になります。 プーランクは『二台のピアノのための協奏曲』を演奏するにあたって、ピアノとオーケストラの配置などをスコアに細かく書き込まれています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲『2台のピアノのための協奏曲』第一楽章 ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 31 Mar 2023 - 10min - 87 - #86 軽妙洒脱・変幻自在・天真爛漫-プーランク『牝鹿』
フランス近代の音楽の進捗語るに於いて、バレエ・リュス(Ballets russes)の主宰者セルゲイ・ディアギレフの存在の重要性は見逃せません。 彼がまだ若い作曲家たちに依頼した作品といえば、ストラヴィンスキー『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』、ドビュッシー『遊戯』、ラヴェル『ダフニスとクロエ』、ファリャ『三角帽子』など、枚挙に暇(いとま)がありません。しかも音楽史上、画期的な作品となると曲ばかりで、彼の、その若い才能をいち早く見抜く先見の明には驚くばかりです。 そんなディアギレフが、まだ本格的なオーケストラ作品を書いていなかった24才のプーランクに作曲を依頼します。しかも「筋書きは特にない‥」という条件提示は、その期待値の大きさが表れています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第3曲 ラグ・マズルカ ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 24 Mar 2023 - 09min - 86 - #85 ラモー回帰に向かう風-プーランク『牝鹿』
プーランク家は、代々大変裕福で、文化的にもとても高い関心を持つ中で育つ一方、両親は敬虔なカトリック教徒で、家系には聖職者を輩出することほどでした。
プーランク、20代前半の作品であるバレエ『牝鹿』の軽妙洒脱な中でも、祈りを想わせる静寂さが現れます。
また後に書かれた『グローリア』『スタバト・マーテル』などのオーケストラ付きの合唱曲は、洗練されたハーモニーを駆使した作風の中、神と真摯に向き合う教会での時間の体現でもあるのでしょう。
フランス革命の史実に基づいたオペラ『カルメル修道女の対話』は、遠く離れたコンピエーニュの修道院で敬虔な祈りと共に暮らす16人の修道女たちがパリに連行され、聖歌を歌いならも断頭台の露に消える無慈悲さのその刹那を、精緻にスコアに書き込んだ稀有な作品です。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第4曲 アンダンティーノ ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 17 Mar 2023 - 09min - 85 - #84 パリの爛熟した文化の中で-プーランク『牝鹿』
フランシス・プーランク。1899年、大統領府エリゼ宮近くに住む、代々続く大企業の経営者の家に生まれ、三男にもかかわらず兄ふたりが早世したため家業を継ぐ使命を負わされ、音楽の勉学に進むことを断念せざるを得ませんでした。
しかし、第一次世界大戦以後の爛熟した文化の中心地パリで、音楽家のみならず、ジャン・コクトーなどの文化人、モディリアーニ、ピカソなどの画家、アポリネールをはじめとする多くの詩人たちが活躍する百花繚乱の中、類をな見ない軽妙洒脱、天真爛漫な作風を身につけて行きました。
若きプーランクがかの有名なディアギレフからバレエ『牝鹿』の作曲依頼を受けた事を知ったジャン・コクトーは、協力を申し出ますがそれを敢えて断り、プーランクは台本ナシで作曲を始めます。そして衣装と舞台美術を、淡いパステルカラーの優しい画風のマリー・ローランサンに依頼して素敵な舞台が仕上がります。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第1曲 ロンドー ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 10 Mar 2023 - 06min - 84 - #83 音楽へと昇華した『雅なる宴』-ドビュッシー『小組曲』
クロード・ドビュッシーか愛好したヴェルレーヌの詩集『雅なる宴』は、前世紀の曲線的、装飾的で甘美な「ロココ絵画」と呼ばれるジャンルの創始者アントワーヌ・ヴァトーの芸術性の高い作品が、ヴェルレーヌの詩作に少なからす影響を与えたに違いありません。
「詩のリズム、言葉の響きとの戯れ、音楽への明示的な言及により、詩そのものが歌のような雰囲気を醸し出す」というヴェルレーヌ自身の言葉のように、ドビュッシーはその詩を素晴らしい音楽に昇華させました。
『雅なる宴』の一節
Cependant la lune se lève
Et l’esquif en sa course brève
File gaîment sur l’eau qui rêve.見事に綺麗な韻を踏んでいます。
評論家のジャック=アンリ・ボルネック(Jacques-Henri Bornecque)は、優しいものから皮肉なものまで、さまざまな場面や出会いを表現した22編の詩が収められているこの詩集を『小組曲』と呼んだそうです。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『小組曲』より「小舟にて」 ピアノ/江澤隆行
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 03 Mar 2023 - 12min - 83 - #82 ヴェルレーヌの詩に触発されて-ドビュッシー『小組曲』
ドビュッシーが9歳の時、後に出会う詩人ヴェルレーヌの義母アントワネット・モテ・ド・フルールヴィル夫人に、ピアノのはじめ、基礎的な音楽の手ほどきを受けます。
その後ドビュッシーは、ヴェルレーヌの流麗でリズミカルな詩作に惹かれ、たくさんの歌曲を生み出すことになります。
中でも『雅なる宴 (Fêtes galantes)』は特にドビュッシーのお気に入りで、ローマ大賞受賞してローマに滞在する際も携えて行くほどで、『小組曲』はその詩集からのインスピレーションを得られた、とあります。
その一節
Cependant la lune se lève
Et l’esquif en sa course brève
File gaîment sur l’eau qui rêve.
と、見事に綺麗な韻を踏んでいます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『小組曲』より「メヌエット」「バレエ」 ピアノ/江澤隆行
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 24 Feb 2023 - 12min - 82 - #81 フランスの作曲家は連弾がお好き?-ドビュッシー『小組曲』
クロード・ドビュッシーの生家があるサン=ジェルマン=アン=レー(Saint-Germain-en-Laye)は、パリの西に位置し、1124年、ルイ6世によって最初の城塞が築かれてから1689年に国王ルイ14世がヴェルサイユに移り住むまで、王の居城であった由緒ある土地です。
しかし、父親の仕事の都合の他、パリ・コミューンに参加して捕らえられたりなど、家庭の事情でドビュッシーが8歳の頃には南仏カンヌの叔母の元で暮らすことになります。そこでの学校関係など初等教育の資料などもあまり残っておらず、後年、ドビュッシー本人もほとんど語らなかった、と。
そのような境遇は、その後のドビュッシーの人格形成に影響を及ぼさなかったのでしょうか.‥。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『小組曲』より「行列」 ピアノ/江澤隆行
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 17 Feb 2023 - 12min - 81 - #80 いつにない激しさは情熱か?-フランク『ヴァイオリン・ソナタ』
セザール・フランクがいかに無欲、善良、つまり聖者のような人物だったかという人間性については数多くの人の証言があリます。
彼を間近で観察し続けた作曲家のヴァンサン・ダンディは「彼の作曲の動機は、栄光でもなく、金でもなく、安易な成功でもなかった。彼の目的は、芸術を手がかりに自らの思考と感情を表現しようとすることだった。そして、何よりも真の意味で彼は謙虚な人だった」と語っています。
かのドビュッシーは、パリ音楽院在籍中、一時期フランクの和声クラスに属したものの、正統でアカデミックなフランクの教えについて行けず、教室から逃げ出し、別な部屋で自分の好きなハーモニーを引き続けていた事があった時も「好きなだけ好きな和音を弾くといい」と許容したそうな...。
しかし、ドビュッシーがフランクについては深い敬意を持ち続け、彼が嫌ったワーグナーに唯一対抗しうる「フランス音楽」の作曲家という評価もしていた、とも‥.。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『ヴァイオリン・ソナタ』第二楽章 西崎崇子/ヴァイオリン イェネ・ヤンドー/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 10 Feb 2023 - 09min - 80 - #79 結婚式に初見で演奏!-フランク『ヴァイオリン・ソナタ』
ヴァイオリン・ソナタのピアノパートといえば、ともすればヴァイオリン・ソロに従属的であることが多い中、フランクのソナタの場合、ソロに寄り添う場面もあるものの、そのピアノ・パートの音楽的な雄弁さは、ピアニストにとっても興味深いのでしょう。
その証左として、枚挙に暇(いとま)がないほど、歴代の名ヴァイオリニストと共に名ピアニストたちが録音を残しています。
ティボー/コルトー(1929年録音) ハイフェッツ/ルービンシュタイン(1937年録音) オイストラフ/リヒテル(1968年録音) ギトリス/アルゲリッチ(1977年録音)などなど...。因みに、コルトーはピアノ独奏用に自ら編曲しています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『ヴァイオリン・ソナタ』第四楽章 西崎崇子/ヴァイオリン イェネ・ヤンドー/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 03 Feb 2023 - 14min - 79 - #78 フォーレ『ドリー組曲』-シンプルゆえの表現あり
当時のフランスの音楽界にとって、ワーグナーの音楽は全く異質であったが故に、作曲家たちはこぞってドイツまで出かけ、ワグナーオペラの体験をしたようです。心酔するもの、影響を受けるもの、拒絶するものと、反応もまちまちでした。
そんな中、フォーレは作曲家仲間のメサジェと《バイロイトの思い出(Souvenirs de Bayreuth)》(お気に入りのワグナーの主題によるカドリーユ風の幻想曲)という、『ワルキューレ』から『神々の黄昏』のテーマを網羅したピアノ連弾曲を書きます。
カドリーユ(Quadrille)とは17世紀に流行した4人一組で頻繁に相手を替えて踊る舞踏のことで、多分にワグナーの音楽を揶揄しているのでしょうか‥。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲『ドリー組曲』より「スペインの踊り」 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 27 Jan 2023 - 17min - 78 - #77 ドリーの誕生日は音楽とともに
ガブリエル・フォーレは、パリ・マドレーヌ寺院のオルガニストとしてサン=サーンスの後任に指名されるほどの優秀なオルガン奏者であり、パリ音楽院の作曲科教授に就任してからもモーリス・ラヴェルなどの人材を育て、その後パリ音楽院院長も務め、学士院会員にもなる、という、勤勉、実直で人望も厚かった人物像が浮かび上がります。
その音楽は、当時フランスに吹き荒れたワーグナーの鮮烈な風を、許容し受け入れつつも、直接的な影響をあまり受けないという、教育者としての毅然としていた稀有な存在でもあったようです。【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲『ドリー組曲』より「ミ・ア・ウ」「ドリーの庭」 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 20 Jan 2023 - 14min - 77 - #76 夢見る親子での連弾⁉︎ 子どものためのピアノ曲
画家が、絵に描きたい、描いておきたいという衝動にかられるは、自分の脳裏に留めておくだけではなく、その美しさを誰かに伝えておきたいという思いなのではないかと邪推します。
では音楽は、といえば、そこまで具象ではないにせよ、やはり敢えて何かを伝えておきたいという、意志や意図が曲に潜在しているのでしょう。まして、その対象が愛らしい女の子であったなら、なんとも淡い夢見心地の曲想になるのでしょうね。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『マ・メール・ロワ』より「眠れる森の美女のパヴァーヌ」、ガブリエル・フォーレ作曲『ドリー組曲』より「子守唄」 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 13 Jan 2023 - 16min - 76 - #75 シンフォニーの新たなカタチ-フランク『交響曲 ニ短調』
セザール・フランクはベルギー生まれながら、現在ではフランス音楽の代表的な作曲家と位置付けられています。
存命中はパリ音楽院の教授や教会のオルガニストとしては著名でしたが、意外にも作曲家としての評価はあまり芳しくなかったようで、同時代のグノーやサン=サーンスからは辛辣な言葉を浴びせられました。
この時期、斬新な転調、半音階的進行などを駆使したワーグナーの手法に出会って、その影響を色濃く受けたせいかも知れません。 しかし、フランク独自の巧緻な筆致に新たな語法と洗練が加わり、フランクの音楽は大きく飛躍して、この交響曲に結晶しています。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第一楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 06 Jan 2023 - 10min - 75 - #74 ふんわり展開する循環形式-フランク『交響曲ニ短調』
ハイドン、モーツァルトと伝統的に踏襲されてきた、機能和声の立体感のあるスクエアな構築性の拡大とも取れる4楽章形式の交響曲。ベルリオーズなどの例外はあるものの、その枠の中に止まる、あるいは留まらざるを得ない必然性があったのでしょう。
しかし、フランクに至って、4楽章の四角い立方体から、主題が繰り返し現れる循環形式の3楽章三角錐の重なりのようなシンメトリーな形に変容します。音楽的な盛り上がりも楽章の終わりを目指すのではなく、山の峰を俯瞰するが如く、多様に調性やオーケストレーションを替えて、繰り返し繰り返し現れます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第三楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 30 Dec 2022 - 08min - 74 - #73 華麗なる転調の世界-フランク『交響曲ニ短調』
セザール・フランク(セザール=オーギュスト=ジャン=ギヨーム=ユベール・フランク(César-Auguste-Jean-Guillaume-Hubert Franck)は、現在のベルギー王国リエージュ(当時のネーデルラント連合王国)、時代によって国境線が目まぐるしく塗り変わり、多様な言語が入り交じる地域で、ドイツ系の家系に生まれました。
フランスに赴いてパリ音楽院への入学を志しますが、外国人と言う理由で音楽院長のケルビーニに一度は入学を拒否されるものの、前年チェロで例外的に入学を許されたプロイセン王国(現ドイツ)から来たオッフェンバッハの例を引き合いに出し、特別に入学を許可された経緯があります。後に、パリ音楽院の教授に任命された折は、フランス国籍を取得しています。
このような自らのアイデンティティーの多様さが、フランクの音楽に影響しているのは否めないのかもしれません...。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第二楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 23 Dec 2022 - 14min - 73 - #72 「全員の踊り」-ディアギレフと5/4拍子の意外な関係⁉︎
セルゲイ・ディアギレフ。ロシアバレエ団(バレエ・リュス/Ballets russes)を率いて大成功を収めた辣腕興行師のように伝えられる事が多いようですが、ディアギレフはロシア貴族の出で、深く広い教養を持つ先見性に満ちた人物だったようです。
まだ二十代のロシア人作曲家ストラヴィンスキーにロシア民話を題材にした『火の鳥』、直後には『ペトルーシュカ』を依頼、パリで大成功を収めます。
同じ時期、早くからその才能に注目していた若いラヴェルにも『ダフニスとクロエ』の作曲を依頼するなど、これらの作品群はパリを中心に、その時代の音楽の本流となって行きます。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ダフニスとクロエ』第3場「全員の踊り」 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
Fri, 16 Dec 2022 - 13min
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