Filtra per genere
- 219 - ピノキオ
ピノキオは、イタリアのカルロ・コロッディが1881年に『あやつり人形物語』というタイトルで、子ども新聞に連載したものです。初めは、ピノキオが木に吊るされるところで終わっていましたが、好評のため次々に加筆されたそうです。
Fri, 17 Sep 2021 - 11min - 218 - こぶとりじいさんWed, 15 Sep 2021 - 07min
- 217 - ピーターパン
ロンドン郊外に住む少女ウェンディの元に、ある夜、おとぎ話のピーターパンが、妖精のティンカーベルと共にやって来ました。ウェンディと弟たちのジョンとマイケルは、妖精の粉を振りかけてもらって、ネバーランドへ飛んで行きました。
Tue, 14 Sep 2021 - 08min - 215 - 一休さん
京都のむかし話。このお話は『和尚と小僧』という題でも語られています。子どもが知恵を働かせて、大人に勝つ話です。昔の人たちは、見たところ弱そうなもの、小さいものに勝たせて、自らを励ましたのでしょう。一休さんはその代表になりました。一休さんは応永元年(1394年)京都に生まれ、のち小松天皇の皇子と言われますが、わけがあって安国寺の小僧となりました。一休さんの育った時代は、乱れに乱れていました。一休さんは、このような世の中を直さなければならないと『とんち』を使って教えを広め、人々を励ましました。それが、各地に『和尚と小僧』の話になって、今も語り継がれているのです。
Fri, 10 Sep 2021 - 10min - 214 - みにくいあひるの子
アンデルセンの童話には、自伝的な部分が多分に含まれていますが、中でもこの作品は、アンデルセンの生涯そのものを表現しているように思えます。貧しい靴屋の子として育った彼は、14才の時にデンマークの首都コペンハーゲンに旅立ちました。なんとかして舞台に立ちたいと思ったのですが、俳優になる望みも歌手になる望みも断たれ、絶望のどん底に陥りました。そこで劇場の支配人のコリンという人に見出されて大学にまで通うことができました。卒業後、旅に出て、その旅の印象から『即興詩人』が生まれて評判となり、それから童話作家として世界的な名声を得るようになりました。「僕がみにくいあひるの子だった時は、こんな幸せがこの世にあるなんて、夢にも考えたことはなかった」という感慨は、そのままアンデルセンの感慨なのでしょう。
Wed, 08 Sep 2021 - 11min - 213 - ナイチンゲールとばら
『わがままな巨人』『幸福の王子』で既にお馴染みの、ワイルドの童話です。『幸福の王子』でもそうでしたが、この話でも、作者は自己犠牲の美しさを歌い上げています。原作では、ナイチンゲールは「愛と命とどちらが尊いかしら。愛がなくて生きるってどういうことかしら」と問いかけているようです。
Mon, 06 Sep 2021 - 10min - 212 - 地獄のあばれもの
埼玉県のむかし話。昔から、嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるぞと言われました。このお話の登場人物は、医者、山伏、鍛冶屋のトリオでうまく仕組まれています。この中の誰が欠けても、このお話は失敗に終わります。このお話を通して『お前も持ち味を活かせよ』と言っているのでしょうか。それとも『どんな困難にぶつかっても、へこたれずに向かって行け』と言っているのでしょうか。
Sat, 04 Sep 2021 - 13min - 211 - 三びきの子ぶたWed, 01 Sep 2021 - 11min
- 210 - 絵姿女房Tue, 31 Aug 2021 - 09min
- 209 - ブレーメンの音楽隊Mon, 30 Aug 2021 - 11min
- 208 - 花咲かじいさん
岐阜県のむかし話。このお話の原型は『雁とり爺』と思われます。灰をまいて枯れ木に花を咲かせるのは、焼畑農業で山の草木を焼いた灰で作物を育てるところから来たのでしょう。良いおじいさんは動物を限りなく愛するのに対し、悪いおじいさんは殺したり臼を焼いたりします。作物を作り出した昔の人々は、こうした心を憎み、懲らしめたのです。
Sat, 28 Aug 2021 - 14min - 207 - 眠れる森の美女
このお話はグリム童話の中にあるのですが、それより100年前のペローの童話集にも同じ話があります。でも、その二つを読み比べてみると、その違いがわかります。物語としてどちらが美しいかと言えば、きっとグリム童話の方でしょう。つまり、100年間人から人へと語り伝えられているうちに、話から無駄が削がれ、簡潔で力強いものになったようです。
Tue, 24 Aug 2021 - 09min - 206 - ぶんぶく茶釜
人々に福を分け与える茶釜というので、分福茶釜と書き、江戸時代の赤本になって親しまれて来ました。昔、茂林寺でたくさんの人たちが集まったので、お茶を出そうとしましたが、茶釜が足りなくて困りました。すると、和尚さんが一つの立派な茶釜を持って来て「これは八つの服を授ける茶釜、それで分福茶釜と言う」と説明したと言います。茂林寺には、狸にあやかって八百八の狸の置物が奉納されています。
Sun, 22 Aug 2021 - 14min - 205 - ドラキュラ
ルーマニア、トランシルバニア地方の伝説ですが、ヨーロッパの各地にこのような不気味な伝説が残っています。ドラキュラが蝙蝠に変身するのは、吸血蝙蝠からの発想かもしれません。しかし、この恐ろしい化け物にも弱みがあり、光、鏡、ニンニクの花などが苦手で、中でも十字架と来たらどうしようもないのです。キリスト教の世界では、それが当然なのでしょう。
Thu, 19 Aug 2021 - 10min - 204 - ナヒエナエナ王女
ハワイがキャプテンクックによって発見された時、ハワイの人たちの格好は、まだ裸に近い格好で、木の内側の皮をたたいて伸ばしたものを下半身に巻き付けている程度でした。大きな船がやって来たので、ハワイの人たちは驚きました。 何年かすると、たくさんの国々の船がハワイに来るようになりました。 まず一番多いのは太平洋でクジラを獲る人たちの捕鯨船でした。 クジラはその種類により、食用のマーガリンやろうそくの原料になるのと、工業機械の油に利用したので、石油が発見されまでは世界中でとても重要だったのです。 太平洋でクジラを獲りながら、ハワイに寄って、食糧などを調達しました。 次は、アメリカ大陸とアジアの主に中国との貿易の船です。 北アメリカの海にいるラッコの毛皮を中国に運ぶ船が、途中ハワイに寄ります。 ハワイには白檀という、とても良い香りの木があり、それを中国の人たちがたいそう好んだので、ハワイに寄った船の人たちはこぞって白檀を買い漁りました。 中国に持って行くと、とても高く売れたのです。 あっという間に、ハワイから白檀の木は無くなりました。 そんな中、宣教師とその妻たちは、ハワイの人たちに正しい教育をしようと、文字を教えたり、裁縫を教えたりしました。 歴史の記録には、カメハメハ大王がハワイを統一したことだけが大きく取り上げられていますが、その陰で、王女でありながら大人たちにその人生を翻弄されたナヒエナエナ王女がいます。 彼女は生まれた時から、ハワイの昔のままの風習にのっとって、神と崇められて育ちました。 そこへ、善も悪も全てが同時にやって来て、彼女を覆い尽くしました。 それを救おうと宣教師たちは『正しい』と信じたことを、押し付けました。 彼らにとっては正しいことであっても、必ずしもナヒエナエナ王女を救えることではなかったようですね。。。
Wed, 18 Aug 2021 - 09min - 203 - きき耳ずきん
岩手県のむかし話。昔の人たちは、鳥や動物、木、時には石や草とも語っていました。それは、植物や動物にも魂を入れて、声無き声を聴くという世界なのです。でも、誰でも聴けるというものではありません。心が優しくて働き者の人だけが、聴けるのです。これと似たお話は、たくさんの外国にもあります。
Tue, 17 Aug 2021 - 12min - 202 - ガチョウ番の娘
従順だった腰元が、お姫様と二人きりになると豹変する、なんと悪どい事でしょう。ここでは、この悪どい腰元は、魔女ということになっていますが、グリム童話では、普通の娘なものですから、尚更に恐ろしいお話となっています。
Mon, 16 Aug 2021 - 15min - 201 - ゆり若大臣
九州地方のむかし話。山口県以南に分布し、沖縄でも伝説として語られています。伝説と言っても昔話に近く、長崎県壱岐郡では、百合若大臣は、桃から生まれ、幼名は桃太郎。美しい王様の姫の噂を聞き、風呂焚きになって住み込みますと、王様が、鬼ヶ島の鬼を退治したら姫をやろうと言うので、鬼退治に行くというお話もあります。
Sat, 14 Aug 2021 - 13min - 200 - 美女と野獣
このお話は、ローマの詩人アプレイウスの『アモールとプシュケ』と似ていますが、ヨーロッパ中に同じような話があり、それを美しい物語として結晶させたのがフランスのボーモン夫人(1711-1780)です。尚、この作品は、鬼才ジャン・コクトーが映画化して、さらに有名になりました。
Thu, 12 Aug 2021 - 11min - 199 - 髪長姫
和歌山県のむかし話。このお話は、和歌山県日高郡道成寺に伝わるお話です。ここには昔から毛髪に関する色々な俗信があります。昔は「髪長く麗しきは心麗し」と言われ、髪の長いことが美人の条件とされていました。海中から拾い上げられた観音様は、姫を美しくして、恩返しをしたのでした。
Tue, 10 Aug 2021 - 12min - 198 - かちかち山
『かちかち山』は、いわゆる日本五大昔話(『桃太郎』『さるかに合戦』『舌切り雀』『花咲か爺さん』)の一つで、江戸時代に赤本として広まりました。『かちかち山』や『さるかに合戦』が持て囃されたのは、元禄忠臣蔵の影響で仇討ちものが流行したためのようです。
Sun, 08 Aug 2021 - 11min - 197 - ジャンヌ=ダルク
ジャンヌ=ダルクは、1412年フランスの小村ドムレミの農家に生まれました。幼い頃から信心深く、13才の頃から「祖国を救え」と言う天使の声を聞き、その声に促されて故郷を出ました。当時フランスはイギリス軍に攻め込まれていましたが、ジャンヌ=ダルクはシャルル7世から軍隊を与えられ、目覚ましい働きでイギリス軍を撃退し、フランスでシャルル7世の戴冠式を行えるまでになりました。しかし、王の側近に妬まれ、負傷した彼女はイギリス軍に売り渡され、宗教裁判で異端とされて、1431年、19才で火刑に処されました。でも、百年戦争が終わると、彼女の汚名は雪がれ、1920年、聖女に列せられました。5月の第二日曜がその祭日で、フランスの国祭日となっています。
Thu, 05 Aug 2021 - 12min - 196 - ヘンゼルとグレーテル
グリム童話の中の代表的なお話。このお話の背景になっているのは、干ばつによる農民たちの苦しみです。実際、大昔にはしばしばこのようなことがあって、ちょうど日本の姥捨伝説のように、飢えに苦しんだ一家では、老人や子どもを森に捨てるようなことが、あったのかもしれません。このような話は、日本だったら子どもに聴かせるには忍びない、陰惨な話になってしまいがちですが、ここでは、森で子どもたちがお菓子の家に出会うという素晴らしい転換になり、そこに子どもたちを食う魔女がいるという設定になっています。これもずい分恐ろしい話ですが、ヘンゼルとグレーテルが機智を働かせて自分たちの命を救い、おまけに魔女の宝物まで奪って来るという結末が、何とも楽しいのです。オペラの名曲にもなっているお話です。
Tue, 03 Aug 2021 - 11min - 195 - かしき長者
愛知県のむかし話。奄美大島や沖縄では、強飯のことをカシキとかカシチーと呼んでいます。また広く炊事の意味に用いられて来ました。そうしたことから、大掛かりな船で炊事を受け持つ役をカシキ(炊き)といい、船で一番年の若い者が、この仕事をしていました。また、カシキは、船の守り神である船霊と深い関係を持つと言われて来ましたので、こうしたことと結びついて、このお話が出来たのかもしれませんね。
Sun, 01 Aug 2021 - 09min - 194 - たのきゅう
山梨県のむかし話。このお話は、知恵を働かす笑い話で、落語にもなり親しまれています。たのきゅうの本名は、土地によって違いますが、化け物に会った時は、『たのきゅう』と言い、タヌキと勘違いされるところは共通しています。頭を働かせて、うわばみから大判小判をせしめますが、決して悪人ではありません。母親思いで、母親の急の病の知らせを受けて、飛んで帰ることから『孝行坂』という昔話と同じ型のものとされています。
Fri, 30 Jul 2021 - 12min - 193 - きつね女房
関西地方のむかし話。稲の穂は、きつねが天竺(インド)から運んで来たものとされ、きつねは、京都の伏見の稲荷神社から「正一位稲荷大明神」の称号が授けられ、田の神様の使者とされています。年貢の免除は、農民の願いでした。
Wed, 28 Jul 2021 - 11min - 192 - フランダースの犬
1872年刊の児童文学。作者は女流作家のウィーダ(マリー・ルイズ・デ・ラ・ラメー)です。ウィーダは最初ロンドンで多くの小説を発表し、後生をフローレンスで過ごしました。40を越える作品を残し、その中には農民小説もありますが、彼女の名前を不朽のものにしたのは、この『フランダースの犬』です。この作品の舞台となったフランスとベルギーにまたがるフランダース地方は、15世紀、近代絵画の父と言われるファン・アイク兄弟を生み、以後多くの素晴らしい巨匠を輩出しますが、その中で最も有名なのがルーベンス(1577-1640)です。
Sun, 25 Jul 2021 - 11min - 191 - 小太郎と母竜
長野県のむかし話。昔は、水神様は、稲作に大切な水を授けてくださる神として崇められていました。雨乞いの時には、水神・竜王の名を唱えました。こうしたことから、小太郎を水神様の申し子、母を水神様にしたと考えられます。母を訪ねて行く道で、小太郎は村人の苦しみや願いを知りました。「おら、広い田んぼがほしい。この湖を田んぼにしてえだ」母竜と小太郎は、この願いを叶えるために、命懸けで山にぶち当たり続けます。それは、人間と自然との凄まじい戦いの場面と言えるかもしれませんね。
Sat, 24 Jul 2021 - 10min - 190 - 木仏長者
大分県のむかし話。昔話の世界では、見かけが強そうに見える者が弱かったり、弱そうに見える者が強かったりすることがよくありますね。この話では、木仏が信心してくれている若者に「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言うところが大事ですね。
Fri, 23 Jul 2021 - 09min - 189 - ウィリアム=テル
スイスの東部は11世紀以来、神聖ローマ帝国の支配下にあり、13世紀にハプスブルク家が皇帝の位につくと、農民たちへの圧迫はますます酷いものになりました。そこで、森の3州と言われる、ウリ、シュビッツ、下バルテンの農民たちはドイツ皇帝に反旗を翻し、独立運動を展開しました。この時に、この運動の旗頭に立ったのが、ウィリアム=テルという伝説的英雄です。テルが息子の頭上のりんごを弓で射抜いた場所は、アルトドルフだと言われ、市役所の前には、この親子の銅像があります。
Thu, 22 Jul 2021 - 09min - 188 - キジも鳴かずば
長野県のむかし話。長野県上水内郡の信州新町を流れる犀川に架けられた、久米路橋の伝説として語られています。昔は、川に橋をかけるということは大変なことでした。年ごとの大雨に流されてしまう橋を、その頃の人たちは、川の神の怒りだと語り、人身御供によって神の怒りを鎮めようとしました。悲しい話ですが、封建社会の姿を伺うことができます。
Mon, 19 Jul 2021 - 11min - 187 - アリババと40人の盗賊
『開け、ごま!』で有名なこのお話は、アラビアンナイトの中にあります。このアラビアンナイトは、そもそも妻の不貞を怒ったある王が、毎晩花嫁を迎え、その翌朝殺すことにしていた時、それを止めさせるために大臣の娘が花嫁になり、面白い話をして、王が殺すのを忘れるように仕向け、それから一千一夜語り続けたということが始まりです。そこに出て来る話は、ペルシア、インド、アラビア、エジプトなどの奇談、冒険談で、15世紀の半ばごろに現在の形になったと言われています。『アラジンと魔法のランプ』や『船乗りシンドバッドの冒険』などがあったようです。
Sun, 18 Jul 2021 - 10min - 186 - 宝の下駄Sat, 17 Jul 2021 - 10min
- 185 - 人魚姫
アンデルセンは、元々小説家でしたが、ドイツローマン派の影響を受け、童話に関心を抱くようになりました。1835年に最初の童話集『子どもと家庭の童話』を出版。最初、人々は彼の童話を認めず、「才能のある作家が、童話のような子供騙しのものを書くのは、惜しい」などと言いました。しかし、2集3集と刊行するに従って、次第に評判になり、第3集の『人魚姫』で人々は争って彼の童話を読むようになりました。愛の美しさ、哀しさを見事に描いていますね。
Fri, 16 Jul 2021 - 11min - 184 - 金太郎
神奈川県のむかし話。金太郎の母は、足柄峠の東、今の静岡県駿東郡小山町の、山奥に住んでいた山んばと言われています。ある日、山んばは、山頂で赤龍と夫婦になった夢を見ました。その時、雷鳴が轟き、目を覚ますと金太郎を身籠っていたそうです。
Thu, 15 Jul 2021 - 11min - 183 - ガリバー旅行記
子どもたちの愛読書になっていますが、これはもともと、子どもたちのために書かれた物語ではないのです。作者のスウィフトは1667年アイルランドに生まれ、政治家の秘書や牧師などをしていましたが、文才を認められて、ジャーナリズムの寵児となりました。でも、彼が所属していた保守政権が凋落したため、失意と不遇の中で、ロンドン政府のアイルランド政策を痛烈にやり込め、1726年にこのガリバー旅行記を発表しました。この話はその第一部です。
Wed, 14 Jul 2021 - 10min - 182 - ふるやのもり
東北地方のむかし話。これは、日本のむかし話の中で、最も分布の広いものです。中国やインドでは、トラを登場させて語られています。生活の中の物全てに語りかけて、声無き声を聞くという、むかし話の世界を広げた語りと言われます。
Tue, 13 Jul 2021 - 14min - 181 - マッチ売りの少女
アンデルセンは、フリンクという人から3枚の絵を見せられて、どれか一つについて童話を書いてほしいと頼まれました。その中の、マッチを持った貧しい少女の絵を見て、自分の母親を思い出しました。アンデルセンは、母親の、貧しくて惨めな少女時代を思い浮かべて、この悲しい物語を書きあげたのです。
Mon, 12 Jul 2021 - 10min - 180 - 舌切り雀
石川県のむかし話。昔の人は、夜が明けると庭先に飛んで来て、ピャピャ、ピャピャと鳴いて起こしてくれる雀と語らずにはいられませんでした。昔話の底には、必ず『愛』の心がこもっていることを話し合ってほしいです。
Sun, 11 Jul 2021 - 11min - 179 - まほうの子馬
ロシアの作家エルショーフ(1815-69)の童話詩で1834年に刊行されました。ロシアの民話に基づいて作られたもので、横暴な王様が自分のわがまま故に失敗し、農民育ちの少年が代わりに王様になるというストーリーは、きっと農民たちの願いを表しているのでしょうね。
Sat, 10 Jul 2021 - 12min - 178 - ちょうふく山の山んば
山んばは、山の神、もしくは山神に仕える女で、眼光鋭く、口は耳まで裂けており、麻のような髪を振り乱して、人を取っては食べるという恐ろしい妖怪とされています。でも、ちょうふく山の山んばは、優しくて人間味があるようですね。
Thu, 08 Jul 2021 - 15min - 177 - 桃太郎
中国・四国地方のむかし話。桃は川上から流れて来ました。川上は農民にとって、大切な水が流れ始めるところで、その源の山は、神様が降りる場所と、古代の人々は考えていました。だから、川上から流れて来た桃太郎は、神様の申し子ということを意味しています。
Tue, 06 Jul 2021 - 14min - 176 - 金色のがちょう
南ヨーロッパのむかし話で、グリム童話集の中にも同じ話があります。くっついた人たちの中に、当時としては大変権威のあった牧師さんまで巻き込まれてしまうところに、権威に屈しない民衆の大らかな笑いが感じ取られます。
Sun, 04 Jul 2021 - 13min - 175 - 豆つぶころころSat, 03 Jul 2021 - 14min
- 174 - フランケンシュタイン
この原作が発表されたのは、1818年のことです。当時、イギリスは産業革命期で、科学技術の発達が、それまでの文明を根底から覆していました。人々は科学の驚異に目をみはりましたが、同時にその将来に不安を覚えました。機械を使っている人間が、やがて機械に使われるのではないかと恐れたのです。この作品が生まれたのは、そうした土台があったからです。
Thu, 01 Jul 2021 - 12min - 173 - うぐいす長者
東北地方のむかし話。この話は『見るなの座敷』や『うぐいすの一文銭』と題して語られています。戒めを破ったために幸福を失ってしまう話で『鶴の恩返し』にも共通します。うぐいすは、霊鳥として、むかし話によく登場します。その鳴き声が「ホーホケキョウ」というところから、仏教の法華経と結び付けられたのでしょう。
Wed, 30 Jun 2021 - 09min - 172 - はだかの王さま
『はだかの王さま』はアンデルセンの童話集にある作品ですが、彼の創作ではなくて、スペインのむかし話をアンデルセン風に翻案したものです。この作品が日本に紹介されたのは、明治21年の『王様の新衣装』という大人向きの本でした。同39年に杉谷代水が新作狂言『衣大名』として、早稲田文学に発表しています。
Tue, 29 Jun 2021 - 13min - 171 - 鉢かつぎ姫Mon, 28 Jun 2021 - 13min
- 170 - 幸福の王子
イギリスの作家オスカー・ワイルドの代表的な童話です。ワイルドは唯美主義運動に参加して『芸術のための芸術』を唱え、美に憧れるあまり享楽的な生活に溺れ、世間をひんしゅくさせた人物ですが、その行動とは裏腹に、彼の心情はナイーブで、弱いもの、 貧しいものへの同情に満ち満ちていました。
Sat, 26 Jun 2021 - 13min - 169 - 天狗の羽うちわFri, 25 Jun 2021 - 10min
- 166 - アリとキリギリス
イソップ寓話の中の有名な話です。勤勉の尊さというより、『楽あれば苦あり』といった世俗的な教訓のようでもあります。奴隷だったと言われるイソップの、当時の支配階級への恨みつらみが、このような話を生み出したのかもしれませんね。
Wed, 23 Jun 2021 - 11min - 165 - 夢を買う
新潟県のむかし話。昔の人は、神様のお告げは、夢の中に現れることがあると信じていました。その使者としてトンボやアブやハチが出て来ます。昔の人は夢を大切にし、それで良いこと悪いことを占ったそうです。夢には、事実と一致する正夢と、逆の結果になる逆夢があります。
Tue, 22 Jun 2021 - 11min - 164 - ハメルンの笛ふき
ドイツの伝説です。イギリスの詩人ブラウニング(1812ー89)が物語にしたことから世界的に知られるようになりました。ねずみが猛威を振るい人間を悩ますことは昔からありましたが、あまり数が増え過ぎると、大集団になって海や湖に飛び込み自滅することがあります。お話は不思議な内容ですが、根拠の無いところから伝説は生まれないようです。
Sun, 20 Jun 2021 - 10min - 163 - 赤ん坊になったおばあさんSat, 19 Jun 2021 - 10min
- 162 - おおかみと少年
イソップ寓話集の有名な話です。イソップは正しくはアイソーポスと言い、紀元前6世紀ごろ生存したと言われるギリシア人です。一説によると、サモア島で奴隷となったけれど、頭が良くて弁舌に巧みだったので、主人から愛されて自由民になったそうです。この話は単純に『嘘をついてはいけない』という教訓と取れますが、加えて、あまり脅かし続けると人はそれに慣れて、本当の危機が来ても信じない、というふうにも取れますね。
Thu, 17 Jun 2021 - 10min - 161 - しっぽの釣り
富山県のむかし話。むかしの人々は、動物と人間は親戚関係にあると考え、人間社会にありそうな出来事を、動物の社会に当てはめて話を作ったようです。このお話は、四国や九州では、この後きつねは人間に助けられて、恩返しをしたとも語られています。
Wed, 16 Jun 2021 - 12min - 160 - 牛方と山んば
東北地方のむかし話。むかし話に出てくる山んばは、優しいのもありますが、恐ろしいのもあります。この話に似たものに『三枚のお札』があります。それは『古事記』のよもつひら坂の神話に結び付くと言われています。牛方と山んばは、東北地方では牛方となり、関東から西では馬方になっているようです。
Tue, 15 Jun 2021 - 11min - 159 - まほうのソーセージMon, 14 Jun 2021 - 11min
- 157 - かみそり狐
鳥取県のむかし話です。むかし話の中には、きつね・たぬき・むじなが登場し、化けたり化かしたりしますが、たぬきは化け方が下手で、最後は不発に終わったり、尻尾を出したりしてしまいます。それに比べてきつねは、化け方や化かし方がたくみです。
Sat, 12 Jun 2021 - 11min - 156 - よくばりな犬 他4話Fri, 11 Jun 2021 - 11min
- 155 - 赤ずきんちゃん
ペローの童話集の一編です。1697年に『むかし話と教訓』として出版されました。原作では、おおかみに食べられるところで終わり『このお話のように、幼い子は、相手構わず人の言うことを聞いたりすると、間違いのもとになりますよ』という言葉が添えられています。
Thu, 10 Jun 2021 - 09min - 154 - すずの兵隊さん
アンデルセンの創作童話の中でも、名作と言われる一編です。かわいそうな兵隊さんは、貧しい境遇に育ったアンデルセン自身につながるのでしょう。兵隊さんが、挫けずに男らしく運命に従おうとする姿も、アンデルセンの青春と重なります。
Tue, 08 Jun 2021 - 09min - 153 - 浦島太郎
京都のむかし話。古くから『万葉集』に『日本書紀』にそして『丹後風土記』に書かれた浦島伝説は、各地に広まって行きました。海辺だけでなく、長野県木曽郡木曽川の寝覚ノ床にも語られています。また、神奈川県横浜市神奈川区の浦島町には、浦島太郎親子を供養した塔があり、近くの寺には、太郎が石に座って「龍宮恋し、恋し」と泣いたという涙石があります。
Sun, 06 Jun 2021 - 11min - 151 - おおかみと七ひきの子やぎ
グリム童話の中でも、このお話は、子どもたちにいろいろなことを教えてくれます。まず、世間にはオオカミのような恐ろしいものがいるという事実。それから、その恐ろしいものを防ぐためには、いくら用心してもし過ぎることはない、という教訓です。
Sat, 05 Jun 2021 - 13min - 150 - そこつそうべえFri, 04 Jun 2021 - 14min
- 149 - ねずみのすもうThu, 03 Jun 2021 - 08min
- 148 - わがままな巨人
イギリスの作家ワイルド(1854ー1900)の童話。ワイルドの人生は、恵まれた境遇でしたが、波乱万丈。投獄された挙句に、パリで惨めな亡くなり方をしました。ワイルドの心底には、絶えず神を求める傷付き易い心がありました。
Wed, 02 Jun 2021 - 11min - 147 - 牛若丸
牛若丸は七歳で鞍馬寺に入り、十一歳の時に源氏の血を引くと知りました。『鞍馬八流』という天狗兵法を身に付け、源氏再興を心に懐きました。鞍馬山には、牛若丸が毎日自分の背丈を計った『背比べ石』修行に疲れて喉が渇いた時に飲んだという『息継ぎの水』が残っています。牛若丸が鞍馬山を下ったのは、一六歳の雪深い二月の初めと言われています。
Tue, 01 Jun 2021 - 14min - 146 - 猿地蔵
山形県のむかし話。このお話は、鎌倉時代に出された『雑談集』に載っているほどに、古くから語られているお話です。おじいさんが全身に米の粉を塗ってお地蔵様に化けるという着想の面白さ。そして猿たちの歌を聞いて、笑いをこらえたおじいさんと、こらえきれなかった隣のおじいさん。昔話に登場する人物は、当たり前のことをしていたり、他人の真似をしていたりでは、幸福はつかめません。
Mon, 31 May 2021 - 11min - 144 - 白雪姫
白雪姫は、これまでたくさんの絵本になって、子どもたちに親しまれている、とても面白いお話です。善を代表する白雪姫と、悪を代表する継母。継母が自分で化けて、山奥にまで出かけていくという、美への執念の凄まじさには驚かされますが、話の中にいじめの陰惨なところは無くて、カラッと進みます。
Sun, 30 May 2021 - 12min - 143 - 一寸法師
京都府のむかし話。室町時代のお話で、そのころは『法師』という呼び名が流行していたと言われます。このお話は、神様が小さな形になって人間世界に現れ、福徳をもたらすという信仰から出来た物語で、『かぐや姫』『たにし長者』もこの中に入ります。このお話の中には、『苦しんでいる農民の子どもも、力と知恵を身に付ければ、世の中へ出て立派に出世出来る道があるという夢が込められているようですね。
Sat, 29 May 2021 - 11min - 142 - 金色のしかFri, 28 May 2021 - 11min
- 141 - かもとりごんべえThu, 27 May 2021 - 09min
- 140 - 北風のくれたテーブルかけWed, 26 May 2021 - 11min
- 138 - 三枚のおふだSun, 23 May 2021 - 13min
- 137 - イワンのばか
ロシアには、お人好しで他人のために自分を犠牲にすることをいとわない、善良そのものの、ロシアの民族性に根ざした人物像『イワン』を主人公とした昔話がたくさんあります。文学の巨匠と言われたトルストイ(1828ー1910)は、物質文明社会を嫌悪して、このような生活を理想とし、自らも実践したそうです。
Sat, 22 May 2021 - 10min - 135 - 雷さまと桑の木Thu, 20 May 2021 - 08min
- 134 - 養老の滝Wed, 19 May 2021 - 11min
- 133 - シンデレラTue, 15 Feb 2022 - 11min
- 132 - たぬきと彦市
九州地方のむかし話。とんちをひらめかせて得をする笑い話です。このお話の彦市は、たぬきが畑にまいた石を、「石は石肥といって畑にはいい。これが馬糞だったらえらいことじゃ」と言って、たぬきに肥蒔きをさせてしまいます。人間がたぬきを化かした笑い話です。
Sun, 16 May 2021 - 09min - 130 - 雪女Sat, 15 May 2021 - 11min
- 129 - 長ぐつをはいた猫
ペローの童話の中の一編です。長ぐつを履いたからって、どうして次々にいろんなことができたのでしょう?ゴムの長ぐつを、皮のブーツだと思ってみてください。それは、この時代の貴族の象徴なのではないでしょうか?猫でさえ、皮のブーツを履けば、貴族の仲間入りができ、王様と対等に、農民には偉そうにできたのでしょうね。それと、裸の主人に最上の服を着せると、お姫様がすっかり好きになるという設定が、階級制度の厳しかった当時にあって、ペローの皮肉のようにも思えます。同じような話が、グリム童話にもありますので、これはフランス特有の話ではなく、ヨーロッパ中に語り伝えられていたお話なのでしょうね。
Fri, 14 May 2021 - 11min - 128 - かぐや姫Thu, 13 May 2021 - 10min
- 127 - ロビン=フッドの冒険
12世紀の末ごろ、英国ノッティンガム近くシャーウッドの森に出没したという、伝説的義賊。彼の行動は、最初はバラードに 歌われていましたが、多くの人々により、小説化、戯曲化され、ますます民衆の人気者になりました。
Wed, 12 May 2021 - 09min - 126 - トロイの木馬
紀元前800年ごろの詩人ホメロスの叙事詩「イリアス」にある話。19世紀の終わりごろ、この古代都市トロイが発掘され、伝説ではなく真実であるとわかった。不死身のアキレスの唯一の弱点が足首にあったことから、歩く上で大切な足首の腱をアキレス腱というようになった。
Tue, 11 May 2021 - 10min - 125 - ノアのはこ舟
ノアのはこ舟は、旧約聖書の創世記にあるお話です。このノアという人物は、ヘブライの族長でアダムの第10世の子孫。この大洪水は、彼が600才の時の話とされています。はこ舟が、その頂上に到着したと言われるアララテ山は、トルコの東部、ロシアとイランの国境付近にある5100mの火山です。
Mon, 10 May 2021 - 10min - 124 - いいなずけSun, 09 May 2021 - 11min
- 123 - 最後の一葉
作者はアメリカのオー・ヘンリーです。彼の経歴は少し変わっていて、若い頃は銀行勤めをしていましたが、公金横領の罪で訴えられラテン・アメリカに逃亡。妻が重病であることを知ると、帰国して臨終に立ち合い、その後、5年の刑で入獄しました。模範囚のため、3年3ヶ月で出獄を許されました。服役中から短編を書き始め、1910年48才で亡くなるまで、『賢者の贈り物』他、約270編のしみじみした心の暖まる短編を書き続けました。
Sun, 09 May 2021 - 08min - 122 - うさぎの悪ぢえ
アメリカの南部地方に伝わる、楽しいお話です。カラカラに乾いた大地の前で、森の動物たちが相談する場面は、お話とは言え、切実なものがありますね。アメリカ南部ならではのお話です。土地の人々は、苦しい生活を少しでも楽しくしようと、こんなお話を作り、子供たちに語り伝えたのではないでしょうか。水や夜やご馳走…お話の中には、子供たちによくわかる材料が、たっぷりと詰め込まれていますね。
Sat, 08 May 2021 - 12min - 121 - ねずみの嫁入り
東北地方のむかし話。昔の人々は、ネズミを特別な動物と見ていました。沖縄では、ネズミをウェンチュ(上の人)と言い、浄土から来たものとしていました。また、ネズミを大国様の使者と考えて、お正月には餅を与えて、その食べ方でその年の豊作を占う地域もありました。
Thu, 06 May 2021 - 11min - 120 - ナイチンゲールと皇帝
童話の王様、アンデルセンの名作の一つに挙げられる、美しい一編です。これは、スウェーデンのナイチンゲールと呼ばれた歌姫、イエンニィ・リンドとの巡り逢いから生まれたお話と言われています。アンデルセンの素朴で清純な気持ちが込められていますね。アンデルセンはこの小さな灰色の鳥が大好きで、このお話の他にも登場させています。慰めと望みのために、そして私の歌を宝としてくださる人々のために歌います。このナイチンゲールの言葉は、そのままアンデルセンの言葉のように聞こえませんか?
Wed, 05 May 2021 - 12min - 119 - くらげの骨なしTue, 04 May 2021 - 09min
- 118 - おばけのびんづめ
グリム童話集の中でも、特に名高いお話の一つです。このお話の鍵ともなっている言葉『何事も神様の思し召し。幸福になると信じていれば、どんな失敗も大して苦にしない』生きて行く知恵を、お話という砂糖衣にくるんだ心の食べ物。グリム童話はそう言いたいほど、見事な物語の宝庫なのです。
Mon, 03 May 2021 - 11min - 117 - いわなの怪
福島県のむかし話。このお話は昔話と言うよりも、伝説的なお話で、主に東日本に分布しています。岐阜県益田郡萩原町では、僧が団子を食べたというので、その淵を『団子淵』と名付けたという、地名由来の伝説となっています。柳田國男氏は、このお話を、山椒の樹皮から取った液を流して魚を獲る『からかわ流し』が遊行の法師である『ぼさま』によって伝えられたものであるためと推測しています。
Mon, 03 May 2021 - 10min - 116 - こうのとりになった王さま
ドイツの作家ハウフの有名な一編です。ハウフは、およそ200年前24才の若さで亡くなりました。作品の数は少ないのですが、アンデルセンやグリムと並び、称されています。お話が生き生きしていて面白いので、今でも新しく出たばかりの本のように読まれ続けています。ハウフはドイツが生んだ、お話の天才と言えるでしょう。『こうのとりになった王さま』はハウフの作品の中で最も有名ですが、他に『小さいムクの話』や『シュペッサルトの宿屋』などがあります。
Sun, 02 May 2021 - 11min - 115 - そら豆の黒いすじ
中部地方のむかし話。お伊勢参りに行くというモチーフは、動物昔話や笑い話にも多く使われます。自由に村から出られない江戸時代の人々にとって、お伊勢参りは一生の夢でした。豆・炭・藁にも人間社会と同じことがあるとして語った、昔の人々の優しい心を汲みたいものですね。
Sat, 01 May 2021 - 11min - 114 - 大沼池の黒竜
長野県のむかし話。この伝説が生まれた黒姫山は、長野県北部にある標高2,053mの美しい山です。古代の人々は、天地異変を自然現象として捉えず、神の仕業、竜神の怒りとして、恐れていました。この伝説は、洪水に苦しみ、治水を願う村人の心と、領土の娘の悲劇が結び付けられ、美女の人身御供伝説となったのでしょう。今も信州中野では、『黒姫伝説』にちなんで、毎年7月19日と20日に祇園祭が行われ、この日に黒姫が年に1度だけ里帰りをするとしています。この時期には、必ず黒姫山から中野にかけて、黒雲がたなびき、涙の雨が降ると言われています。
Fri, 30 Apr 2021 - 12min - 113 - アンクル・トムの小屋
ストウ夫人によって書かれた『アンクル・トムの小屋』と言えばあまりにも有名ですね。ここに紹介するのは『イライザ編』です。可愛い我が子ハリーを守ために、人買い商人から逃げるお母さんのイライザ、迫り来る追っ手の前で、氷の川を渡る場面には、心が軋みます。ストウ夫人もたくさんの子どもたちに恵まれたお母さんでした。ストウ夫人は、自分の経験から、深い愛情を持って、母と子の気持ちを見事に描いています。このお話には、難しく言うと、自由と平等ということが書かれています。そのため、この本が出た時、大反響が起こったということです。そして奴隷解放のために始まった南北戦争も、実はこの本によるところも大きかったというのは、あまりにも有名です。真の名作は、歴史をも動かすのですね。
Thu, 29 Apr 2021 - 11min - 112 - はなたれ小僧さま
熊本県のむかし話。龍神様からの授かり物は、醜い小僧の他、子犬というのもありますが、小僧の姿をしているのは、神霊が少童の姿を持っている、という信仰から来ています。また、富や宝は海の彼方の常世からもたされる、という信仰が、話の根底に流れています。
Thu, 29 Apr 2021 - 11min - 111 - 宝島
全ての少年たちを夢中にさせた、スチーブンソンのあまりにも有名な名作です。1881年、スチーブンソンは、自分の息子が一枚の地図を描いているのを見つけました。スチーブンソンはそれに『宝島の地図』と名付けて、山や川や入江を描き入れました。これが名作『宝島』の始まりと言われています。宝島に隠された財宝、それを巡る人間同士の争い、出会いがあり、死があり、裏切りがあります。スチーブンソンは、全ての登場人物に、人間らしい性格を与えました。その性格は、現在でも『英国で最も健康な精神』と高く評価されています。このような素晴らしい冒険を書いたスチーブンソンは、常に病気と闘う一生であったそうです。『宝島』は彼の憧れと夢がえがいた物語かもしれませんね。
Wed, 28 Apr 2021 - 11min
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